第15章 ☆Story33☆ 決着
_ブォンブォンブォン!
ゆり達のいるアジトに向けバイクを走らす仮面ティーチャー、
憲吾はしっかりと腰に腕を回し身を任せた。
『……。』
「っゆり……」
(今行くから……待ってろよ……)
バイクはアジトまであと1キロほどにに迫った。
目の前には大きい建物、そこにゆり達は監禁されている。
目を凝らして見てみれば救出班が車を建物の前に留めどんどん中に
突入していくのが見えた。
『もう少しで着く。三船、お前はゆりのところに辿り着くまで
俺の側を絶対離れるな。自分の身だけを守るんだ。』
「っはい……!」
(いよいよか……)
そしてバイクはアジトの前に到着。
『……行くぞ、』
「はい……」
憲吾はヘルメットを外し建物内へ走り出す
仮面ティーチャーの後ろに続くよう走り出した。
建物に入れば組織の人間とやり合う救出班が目に入ってきた。
『ゆり達はこの建物の3階にいる……一気に走るぞ。』
「はい、走り込みは慣れてます。」
『よし。襲ってくる連中は俺が対処する、
構わず俺の後ろについて来い。』
「はいっ」
走り出す仮面ティーチャーの後ろについて走り出す憲吾。
階段を一気に駆け上がり3階までやってきた。
運良くも襲ってくる人間はいなかったがここからが本番だ。
救出班A〜Fグループは既に部屋に突入したようでそれぞれ
メンバーの救出を行なっていた。
「っ北山来海ちゃんね?助けに来たからもう大丈夫よ。
ほら、とりあえずこの上着を羽織って。」
「っう、うぅぅ…!」
来海は助けに来た救出班の女性に泣きながら思わず抱きついた。
以前憲吾がライブやDVDで見た時は元気な姿と笑顔が
印象的な子だった。だがその様子はまるでなく顔もかなりやつれており
その様子は見るに耐えなかった。
「っゆり……」
来海の様子を見て一気に不安が押し寄せる憲吾、他の場所にも
目を向けると同様に保護されていくメンバー達の姿が見えた。
『……どうやら、救出された5人は本物だったらしいな。
……っゆりはどうした?』
「っ!?」