第15章 ☆Story33☆ 決着
「もう過ぎたことですから……」
「ありがとうゆりちゃん……あ、お腹空いてない?」
「えっと、まぁ……マリトッツォが1個残ってたので
それを食べようかと……」
「呼び鈴で呼べばご飯持ってくるのに!
今持ってくるから待ってて?」
「ぁ、はい……ありがとうございます。
……あの!」
「ん?」
ジュリが一旦部屋を出ようとした時ゆりは思わず引き留めた。
「っあの……ジュリさんってもう朝ごはんは食べたんですか?」
「オレもまだだよ?それがどうかした?」
「えっと私、特にやることもなくて……
ご飯一人で食べるのも寂しいなっていうか……」
「え!それってオレとご飯食べたいってこと!?」
「っ……ご迷惑じゃなかったら……」
「っむしろオレの方がご迷惑じゃなかったらだよ!
……いいの?オレで。」
「っ知らない人と食べるよりは、全然……」
「……わかった!
んじゃオレも一緒に食べていい?」
「っはい…!」
そしてジュリは部屋を一旦後にし2人分の朝食を取りに行った。
それから数分で戻ってきた。
「お待たせゆりちゃん、そこのテーブルで大丈夫?」
「はい、ありがとうございます。」
ジュリはテーブルに朝食の乗せたお盆を乗せた。
そして席に着くと2人で朝食を食べることにした。2人は談笑して
お互い和解しゆりも久々に穏やかな気持ちになった。
「ジュリさんも、私たちのこと知っててくれたんですね。」
「そりゃもちろん!度々話題になってるし
オレも日本にいる時は普通にテレビも観るしね。」
「……ずっと北京にいるってわけでもないんですね。」
「まぁうちの組織の本拠地は日本だからねぇ……」
「っそう、なんですか……?」
「あぁ!
……って、これ言っちゃダメなやつだよな笑」
「ま、まぁ……
組織の人からしたらそうなんじゃないですか……苦笑」
(ジュリさんって口が軽いのかな……)
会話をしながら朝食も済ませた2人、
ジュリは食器などを片付けるために立ち上がった。
「んじゃ、オレはそろそろ行くけど大丈夫?」
「はい、わがままを聞いて頂いてありがとうございます。」
「昨日のこともあるし、オレもあまり長居できないんだよね(苦笑)
んじゃ何かあったら呼んで。誰かは来るから。」
「はい、」