第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
「あの仮面ティーチャーなら、
必ずゆりちゃん達を救ってくれますよ……」
「とても、信頼してるんですね……仮面ティーチャーのこと……」
「はい。あの方は何より生徒を大事にしているお方です。
だから貴方と共に行動するようにしたのです。」
「っ……班田の時も仮面ティーチャーは、
ゆりを必死に助けてくれて俺のことも助けてくれてた。
……あの人がもし来ていなかったら、
俺はボクシングすらも出来なくなっていた。
感謝しても感謝しきれないくらいあの人には世話になった……」
「ふふ……その言葉を聞いたらきっと喜びますよ?
もし無事に作戦がうまくいった時は、そう言ってあげて下さい。」
「はい、そうします。」
「……さて、そろそろ落ち着いたところで寝ましょうか。
今度は長話をして眠れなくなりそうですからね(苦笑)」
「そうですね……ハーブティー、ありがとうございました。
これで朝まではゆっくり寝れそうです。」
「それなら良かったです。では、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
憲吾はお辞儀をすると翔の部屋を後にし自分の部屋に戻った。
ベッドに入るとハーブティーのおかげか安らかに眠れそうな気がした。
そして憲吾は再び目を閉じると眠りについた……。
ゆりside
時刻は16:30、同日。
部屋に監禁されているゆりは特に何もすることがなく
ジュリが持ってきたマカロンをたまにつまみながら時間を潰した。
マカロンはサクッとしており
1個食べるだけでなかなかの満足感を得られた。
「……何もする事ないな……
今頃みんな、どうしてるんだろ……」
(ちゃんと休めてるのかな……)
ゆりがベッドの上で横になっていると
誰かが扉を開ける音が聞こえてきた。
「っ……!」