第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
再び本部に戻ってきた憲吾達、
憲吾は部屋に入りとりあえず落ち着くことにした。
出国してから緊張する場面が続き思わずベッドに倒れた。
「っはぁ……」
(想像以上に疲れた……櫻井さんの言う通り、
今日はちゃんと休んだほうがよさそうだな……)
憲吾は少し休んでからシャワーを浴びる事にした。
その間もゆりは無事か、ゆりはどうしてるかと
ゆりのことで頭がいっぱいだった。
「っ……明日、絶対大丈夫だ……。
みんなきっと無事で……」
(櫻井さん達や、仮面ティーチャーがいるならちゃんと救えるはず……
でも……もし救えなかったら……?
もし、もしゆりを助けられなかったら俺は……)
「大丈夫」と自分に言い聞かせるがやはり不安の方が多かった。
そんな不安がとれぬままシャワーを浴び終わるとルームウェアに着替え
再びベッドへ体を委ねた。憲吾はふとスマホを手に取りLINEを開く。
ゆりとのトーク画面を開きこれまでのやりとりを見返した。
「……まさかあの時はゆりから
LINE教えろって言われるなんて、全く想像しなかったな……」
(あの頃が凄く懐かしく感じる……)
はじめの方から見返していくと
お互いの距離がどんどん近くなっているのを文面だけでも感じた。
またこの時のようにLINEや電話でやりとりをしてお互いの理解を
深めたいと思った。その為にも……
「その為にも、明日は絶対……」
(絶対、助けてやるから……待ってろよ、ゆり……)
憲吾は一通り見返すとスマホを元の場所に置き灯を消した。
今日は緊張続きで体が疲れていたのかあっという間に眠りについた。
だが眠りについて何時間後、憲吾は夢を見た。
眠っている憲吾は額に汗をかきながら少しうなされていた。
「っぅ……ゆり……やめ、ろ……」
憲吾が見ていた夢、それはまたゆりが出てくる夢だった。
ゆりは前の夢の時のように憲吾とは一緒におらずその代わりに、
知らない男とどこか部屋のベッドの上で身体を重ねており
ゆりはその男に押し倒されている形で犯されていた……。
『っぁあ…!ぃやぁぁ!///』
『クク…やはり身体を嘘をつかないな。』
『っやぁぁ!憲吾たすけっ‥ぁあ!///』
『っゆり!!』