第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
「っ……美澤社長……」
瑛二の言葉に驚きを隠せない憲吾は少し驚いたが
すぐ落ち着きを取り戻し再度瑛二に告げた……
「っはい。
きっとゆり達は、櫻井さん達が絶対に助けてくれます。
俺もそれに貢献できるよう頑張ります。
ゆりを……必ず救います。」
「……期待しているよ、三船くん。
さすがは、ゆりが惚れ込んだだけのある男だ。」
「っ……///」
思わず瑛二の言葉に顔を赤くする憲吾。
「さすがに褒め過ぎたかな?さて、
これ以上話しているとまた誰かが君に感づくかわからない。
すぐにでも召集をかけ本部で説明をお願いします。
恐らく、話に納得しない人物も出てくると思いますが
私もできる限りフォローさせて頂きます。」
「ありがとうございます、お心遣い感謝致します。」
こうして関係者を全員集め一通り説明した翔。
そして明日のスケジュールを改めて確認する為に
太輔ら親族やSP・警備関係者以外の関係者は本部の大広間に残った。
憲吾は翔、潤と共に涼介達から少し離れた場所にいる。
「……。」
(ライブひとつ完成するのに、ここまでの人や時間を費やすのか……
きっとあの時のライブも……ゆりたちが一生懸命考えて、
それをこれだけの人数で力を合わせて形を作り完成させる……。
本当に凄い人達だ……ゆりは、この人たちと一緒に
本当の夢を叶えようとしている……それを守る為にも、
絶対に助けてやるからな……ゆり。)
憲吾はじっと会議を見守り、時刻は22:00を回っていた。
再び本部に戻るため憲吾達はホテルを後にする。
「ふぅ……」
車に乗り込むと憲吾は帽子とサングラスを取った。
「バレたのが美澤社長だけでよかったですね。」
「っまぁ……でも、やっぱり少し緊張しました……。」
「ふふ……帰ったら、ゆっくりお休みください。」
「……救出は、いつ実行するんですか?」
「ライブは18時に始まります。そして中継は19時30分頃……
彼女達のケアや準備も含み、17時には行動を起こす予定です。」
「わかりました。そこで、仮面ティーチャーと?」
「はい。貴方のことは既に彼に伝えてあります。
それまでは、私の側を絶対に離れないで下さい。」
「……はい、」