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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第14章 ☆Story32☆ 逃げられない


「彼は私の護衛についてもらっているだけですよ。」

「ふっ……貴方にしては、随分簡単な物言いですね……
もっとマシな理由はなかったのですか?警視総監とあろう方が、
こんなに若い少年を引き連れているとは……全くもって異色の光景だ。
……そうだろ?

三船憲吾くん……」


「っ!?」

「……やはり、貴方は見抜いてしまいましたか(苦笑)」

「一瞬目を疑ったが、間違いなく彼だと感じたよ。
……ゆりにとって、一番大事な人物だからな……」

「っ……」

「……櫻井総監、なぜ彼がここにいる?彼がゆりにとって、
大事な男だというのは貴方もわかっているはずだ。
そんな彼までを危険な目に遭わせるつもりなのか?」


瑛二は憲吾の身を案じているのか翔を少し怪訝そうに伺った。


「彼は我々が責任を持ってお守りします。
それに、ゆりちゃんには彼が必要なのですよ……。」

「……ゆりを、助ける為に必要だと?」

「はい。三船くんもそれを承知でここに来ています。」

「……。」

「……三船くん、君は本当に……」


瑛二は憲吾に目を向ける。


「はい。正直、俺にゆりが助けられるだなんて……
思わなかった。俺は何の役にも立たないと……でも、
櫻井さんは言ってくれたんです。」

「……何と言ったんだい?」

「ゆりの心を、救ってほしいって……」

「っ……!」

「……。」

「俺は直接、ゆりを助けることはできない……けど、
もしゆりが何かで傷ついているなら、俺はそれを癒したい。
ゆりを少しでも楽にしてやりたい……それが、
俺にしかできないっていうことなら俺は……

全力でゆりを助けたい。ゆりを救ってみせる。」


「っ……」


瑛二の目をまっすぐ見ながら言う憲吾、目が見えないサングラス越しでも
その固い決意は瑛二にも届いていた。


「ふっ……確かに、傷ついたゆりを癒せるのは、
君だけかもしれないな……」


軽く口角を上げ瑛二は憲吾を見た。
そして瑛二は憲吾の肩に手を置いた……。


「っ……!」

「ゆりの心を、救ってやってくれ。
それが出来るのは、私や事務所の人間でも、父親でもない……



















君たったひとりだけだ。」
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