第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
シャワー室に入ったゆり、入るとまずそこは更衣室になっており
鏡も設置されていた。病衣を脱いで鏡を見てみれば赤い印が身体中に
いくつもののキスマークが付いていた。改めて自分は
好きでもない相手に犯されたという事実を突き付けられた。
「っ……こんな身体、憲吾に見られたくないよ……
早くシャワー浴びなきゃ……」
ゆりは個室のシャワー室に入り頭から足まで全て洗い流す。
今までの汚れを落とすかのようにシャンプーやボディーソープで
全身を洗い少しでも身体を清めた。
その甲斐もあってか大分すっきりしたゆり、身体を温めるため
お風呂にも入ることにした。
「っふぅ……お風呂入るだけで、大分違うな……けど、」_ギュッ…
(けど、東郷さんが戻ってきたら……また私は犯される……)
ゆりはギュッと自分の二の腕を両手で掴んだ。
そして一筋の涙を流す……。
「っ憲吾……憲吾に会いたいよ……」
(いつになったらここを抜け出せる?憲吾だけじゃない、
来海達やパパ達にも会いたいよ……みんな……)
ゆりが涙を流しながらお風呂に入っている頃……
「……あの子、使えるかもしれないな……」
スマホを弄りながらジュリは謎の言葉を発していた。
そしてスマホを弄り終わったのかポケットにスマホをしまい
ゆりが戻ってくるのを待った。
それから15分ほどでゆりはシャワー室から出てきた。
「っお待たせしてすみません……」
「女の子はお風呂長いの普通でしょ?
だから気にしてないから、」
「っありがとうございます……」
「そんじゃ、部屋に戻ろっか。」
「っはい……」
ジュリは再びゆりの手を取り部屋に戻った。
「はい到着〜……あと他に何かある?
昼飯は後で持ってくるけど腹減ってる?」
「え!……えっと……少しは……」
(激しく動いてたせいか小腹は空いたかも……)
「んじゃ今、何かお菓子持ってくるよ。
マカロンとかどう?」
「ぇっと……それじゃお願いします……」
「わかった、ちょっと待ってな。」
そう言うとジュリは部屋を後にし5分ほどで戻ってきた。
「はいお待ち〜っ
マカロン6個入り……って、Dolceと同じ数じゃん笑」
「っ……」
(みんな……)