第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
「っ……」
(みんな……)
ジュリが持ってきたマカロン、マカロンは小箱に入っておりその数は6個。
ゆりたちDolceの人数と同じ数が入っていた。
しかも色は紅色、水色、オレンジ、紫、黄色、そしてピンクと
メンバーカラーとも一致していた。
それを見たゆりは思わず目に涙を浮かべた。
「っちょ!?
急にどうしたの!?」
_ハッ「っ…すみません……ちょっと、メンバーのこと思い出して……
っあの!今メンバーがどうしてるのか、わかりませんか……?」
「っさぁ……オレにはさっぱり……」
「っそう、ですか……」
(みんな、乱暴なことされてないといいけど……)
今自分は何もされていないがメンバーも昨日やさっきの自分みたいに
犯されていたらどうしようと頭に浮かんだ。
そして自分たちはここから脱出して世界一のアイドルを目指すという
夢を実現させることは出来るのかと色々不安な面も出てきた……。
ゆりが俯いていると
ジュリがわしゃわしゃっとゆりの頭を撫でた。
「っ……」
「っんな顔すんなよ。かわいい顔台無しだぜ?」
「っ……すみません……」
「……。」_スッ…
「っちょ…!」
ジュリは顔を覗き込むと指先でゆりの涙を拭ってやった。
少しびっくりしたがジュリは好意でやってくれてるのでじっと耐えた。
「ほいっ、これでばっちし!」
「っありがとうございます……」
(こういう人もこんな組織にいるのが不思議……)
ゆりはそんなことを思いながらジュリを見上げた。
「……そんな可愛い顔で上目遣いされんの、ずるいんだけど。」
「っえ!?」
ジュリの突然の言葉に追わず目を見開くゆり、
そしてグッとゆりに顔を寄せお互いの距離は
鼻先がつくかつかないくらいの距離だった。
「っジュリさんあの……」
「東郷さんが執着すんのも、なんかわかる気がするわ……てか、
そんな薄着で男の前に居るんだよ?
もうちょっと警戒心持ったほうが良くない?」
「っあn_ドンっ!…っ!?」
ジュリはいきなりゆりをベッドに押し倒しそのまま唇を落とした。
_チュッ…
「んん!?///」
(っなんで……!)