第3章 ☆Story21☆ 動くそれぞれの歯車
涼介side
翔と共に会議室に入った涼介。
「鍵は一応、閉めておきますね……」
翔を中に入れると、涼介は扉の鍵を閉めた。
「ありがとうございます。
ここは防音設備も優れていると聞いています。」
「……櫻井さん……あなたがわざわざ来るって事は、
よっぽどの事情があるって、事なんですよね……?」
「……。」
「もしかして、ゆりちゃんの件で?」
「はい。以前片桐社長からも、
お話は聞いておられるかとは思いますが……」
「政府の極秘プログラム、仮面ティーチャーのことですか?
確か、2学期から派遣されてるんですよね……
その仮面ティーチャーの教師が……」
「はい、誰がどこのクラスに派遣されたかは、
プログラムに関わるごく一部の者しか知りません。
警察関係でも、僕をはじめとする数名だけです。」
「……当然、今俺に教えるってことも、できないんですよね?」
「申し訳ありませんが、そうなります。
班田順平くんの件に関しては、
1日でも早く解決したいと思っております。ただ、
容易に解決できることではないのです。
雅さんの時よりは、まだマシとはいえ……」
「っじゃあ、もう少しで解決……できるかもしれないんですね!?」
_コクッ「……実は、班田くん以外にも重要人物がいます。
その人物の周りも捜査していましてね……山田くん、」
「っはい……」
「近々、ゆりちゃんが誰かと会う約束とかは?」
「ぇ……?えっと…
明日の午前中、財前寺海斗くんと十番街のSAKURAというカフェで
会う約束をしています。それくらいですよ?
なんせ、明後日にはもう韓国に出発ですから……」
「承知しました、ありがとうございます(微笑)」
「っ今のが、何の……」
(まさか、財前寺くんが重要人物?
っいや、まさか……)
「大丈夫です、必ず解決できますから……
山田くんは、今まで通り注意を払ってくださればそれで大丈夫です。」
「っ……そんな風に言われると、
仮面ティーチャーが誰かすごい気になるじゃないですか……
仮に解決しても、その人が誰かっていうのは……」
「……残念ですが、それはできません。正体がバレるという事は、
仮面ティーチャーにあってはならないのです。」
「っそうですか……」