第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
バッグに入れられ窮屈な思いをする2人は
太輔を睨んでいた……。←「なぜに!?」by.太輔
「兄さん、2体ももっていくの大変じゃない?
いくらゆりのだからってさ……」
「っいや……でも、
ゆりも一緒にいるみたいで少し安心するんだ……」
(写真も、取らないとだしな……)
「んじゃ俺もどっちか持つよ!」
「っいや悪いよさすがに……」
「だって……心なしか窮屈そうだもん。」
裕太はバッグの2人を指差しながら言った。
(確かに……こっち睨んでる気が……汗)
「っじゃあ……お願いできるか?
どっちがいい?」
「うーん……正直あの桂木が選んだレンは複雑なんだよな。←
でもぬいぐるみに罪はないもんなぁ……あ!ユウがゆりなら、
レンは妹になるかな?……んじゃ俺はレンにするよ!」
裕太は悩んだがレンこと妹の百合を選んだ。
太輔はバッグから百合を出すと裕太に渡した。
「わかった、それじゃレンを頼むよ。」
(久々に裕太くん一緒になれて、百合も嬉しいだろうな……)
『……♪』
(久々にお兄ちゃんに抱っこしてもらえたなぁ♪)
こうしてホテルを出発し太輔達は観光に向かった。
ちなみに裕太はカバンには入れず手に抱えていたので太輔も
叶輔をバッグから出してやり抱っこしながら移動した。
側から見れば少し異質な光景だがこういう機会はもうないと思った
太輔は特に気に留めなかった。そして所々で記念写真も撮り
家族写真をスマホのメモリに収めていった。
「ここにゆりもいたら、もっと最高だろうね!」
「あぁ、そうだな(微笑)」
こうして観光は何事もなく終わり最後は万里の長城に全員で向かった。
ちなみにライブはその時間帯に始まるようになっている。
太輔達は観光中にゆり達に関する連絡は入れないことを翔から
伝えられたためホテルに戻らなければゆり達の状況はわからない。
太輔達は少しモヤモヤしながらも観光を続けるのだった。
時間は1日遡り東郷の部屋に移されたゆり。
ゆりは憲吾達が北京に向け出国した8時頃に目を覚ました。
「っん……」