第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
『っ!』
(そりゃそうだよね……あんなお別れ……)
【百合、
本来であればお主達は現世に関わってはならぬ存在だ。】
(っわかってます、私のわがままでまだ太輔のところに
居られてるということは……でもお願いです!
ゆりだってもう少しで戻ってくるんです!
ゆりに、叶輔を返してあげてください!!)
【……。】
(どうしても、駄目なんですね……なら一度、
私を一度叶輔に会わせてください!)
【なに……?】
(どうせ、私はこの部屋にいる限り太輔と話す事はできません。
もしかしたらお兄ちゃん達に見つかるかも知れないし……だから!
少しだけでいいから叶輔に会わせてください!)
【……わかった。お主がそこまで言うなら許可しよう。
お主は猶予期間までは自由の身、好きなタイミングでまた戻りなさい。】
(ありがとうございます。それじゃ、お願いします。
私を叶輔の元に……)
すると百合の魂はあっという間にレンから抜け空へ向かった。
それをまだ知らない太輔は裕太達と会話を続けるのだった。
「っ着いた……神様、
私のわがままを聞いてくださってありがとうございます。」
『……百合、叶輔の魂はここだ。』
「っ叶輔……!」
神様は虹色に輝いている結晶を百合に見せた。
大きさは手の程で神様の手のひらで浮いていた。
そして百合の呼びかけに反応する叶輔は嬉しそうに声を上げた。
神様は叶輔の結晶をゆりに渡してやった。
「っ母さん!来てくれたの!?
でも何でここに……」
「叶輔が、心配だったの。だってあんなにユウが八つ裂きにされて、
動くことも喋ることもできなくなって……それに、涼介さんが
一生懸命ゆりの為に直してくれたのに未だ……」
「っ母さんにまで、心配かけてごめんなさい。
でも僕、どうしても我慢できなかったんだ!
ゆりちゃんがあのまま、連れ攫われるなんて嫌だったんだ……!」
「やっぱり……叶輔はゆりを守ろうとしてくれていたんだね?」
「っ当たり前じゃん……だって僕は……」
「うん、ゆりのお兄ちゃんだもんね……」
「っ……」