第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
「ではまず……4日前には北山来海ちゃん、小鳥遊凪咲ちゃん、来夢ちゃんの
連れ去り事件が起きましたよね?3人はこの翌日にはホテルに
戻ってきたという事ですが、この時点でこの3人は
クローン人間という名のアンドロイドにすり替えられています。」
「っ来海達がクローンって……!」
「「っ……」」
いきなり自分の娘がクローン人間だという話を聞かされ
驚きを隠せない北山家と小鳥遊家。
「そして同日の夜にはホテルへの襲撃事件が起きました。
この時藤ヶ谷ゆりちゃん、天羽千鶴ちゃん、宮瀬愛美ちゃんは
熟睡して気づかなかったと言っていたようですがこの時点で3人も
アンドロイドにすり替えられてします。
恐らく、ホテル内ですり替えたと考えるのが妥当でしょう。」
「「っ……」」
「っゆりが、アンドロイド……」
(なら納得いくが……
でもなぜ俺のことやみんなの事は普通に知っているんだ……)
『っ……』
(ホテルでゆりがアンドロイドにすり替えられたなら、
もしかして叶輔は本物のゆりを助ける為に……?
それで、あんなに八つ裂きにされてしまったの……?
っ叶輔……ねぇ、答えてよ……)
百合は度々叶輔にテレパシーを掛けるが一向に反応はない。
もしかしたら魂は神様の元にあるでは思い始める百合だが
今は翔の話を聞くことに専念した。
「そして、本物のみんなは組織の管理する施設に監禁されています。
すでに何人かの公安警察を捜査に向かわせており、救出の目処を
探っている段階です。今の皆様には、難しいかと思われますが
できるだけいつも通りに過ごして頂きたいのです。
これからの作戦の為に……。」
「「っ!?」」
「っこんな状況の中、いつも通りだなんて……」
(はっきりと偽物だってわかったのに、あのゆりを
自分の娘と同じように接する……?そんなこと……)
「いきなり皆さんには無理難題を言っていることは承知です。
ですが、今は我々警察庁や公安警察を信じて頂きたい。」
「「っ……」」
あまりの突然の言葉に何も言えない関係者達、中には
それが納得でいないと思う人物もいた。