第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
「……あぁ。
山田くん、ユウとレンを預かってくれてありがとう。
あとは俺が持つよ……。」
「わかりました。」
涼介はユウとレンを太輔に渡し滞在中の本部でもある大広間に
太輔達を案内した。再び太輔に抱かれた百合は少し安心していた。
先程のゆりがおかしいのはやはり事件が関与していたはずだと
ほぼほぼ確信したからだ……。
そして百合は前を歩いている若い男を見ていた。
『……。』
(彼……どこかで見たことあるような……)
そして大広間に着きそこにはドルチェ以外のマネージャーやスタッフ、
SPら関係者全員が集まっていた。翔は太輔達を前の席に案内する。
「保護者の皆様は前の席にお座りください。」
「っはい……」
太輔は百合と叶輔を抱き抱えたまま椅子に座る。
潤と若い男はサイドの壁際に立っており翔は太輔達の前に立っている。
全員が着席したのを確認すると翔はマイクを持ち2つの事件のことや
これからの内容を説明していく。
「皆さん、この度は集まって頂き誠にありがとうございます。
改めまして自己紹介をさせて頂きます。
警察庁の警視総監を務めている櫻井翔です。これから2つの事件の真相を
お話しさせて頂きます。」
「っ……」
(一体……ゆりたちの身に何が起きたんだ……)
「まず、率直に言います。
今皆さんのところにいるDolceの皆さんは偽物です。」
「「「っ!?」」」
翔のいきなりの発言は度肝を抜いた。
事前に話を聞いていた瑛二は落ち着いた様子で翔の話を聞いていた。
「っ偽物……」
(偽物ってどういう事だ……確かにあのゆりは
まるでゆりじゃないのは確かだけど……)
「詳しい捜査内容は情報漏洩になる可能性がある為事実だけ
言わせて頂きます。質問は説明後に受け付けますが内容によっては
お答えできないこともあるのでご了承ください。
ではまず、」