第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
「っ……山田くん、
いくら何でも全員がこんな状況なんておかしいよ!
もっとちゃんと事件のこと調べられないの!?」
「っでも……今の俺たちには、「涼介、」っ美澤社長!?」
「「っ!?」」
全員の元に突如、瑛二が姿を現した。その後ろには太輔達も
よく見覚えた人物がおりいち早く声を上げたのは涼介だった。
「っ櫻井さん!!」
「「っ!」」
「皆さん……お久しぶりでございます。」
太輔達に向かって会釈をする翔、よく見れば翔の両隣には秘書の潤と
若い男の姿もあった。若い男は自衛官のようなジャケットを羽織り
帽子とサングラスをかけているので顔はよく分からない。
涼介はその男が誰かすぐに察したが太輔達の前では言葉にしなかった。
「っ櫻井さん……なぜ急に……」
「……涼介、櫻井さんからこの間の事件の真相を全て聞いた……」
「っ何ですって!?
っ……櫻井さん!どういうことですか!?
それって……事件が起きる前から色々探ってたってことですよね!?」
「「っ!?」」
涼介の言葉に驚きを隠せない太輔達、もし涼介の話が本当なら
ゆり達は事前に危険な目に晒されると踏んでいたにも関わらず
未然に防がなかったということになる。
当事者の娘を持つ親にとっては何とも言えない状況であった。
翔は再度頭を下げお詫びを入れた。
「この度は、大変申し訳ありませんでした。
これは国までを巻き込む恐れのある捜査案件……我々の力不足で
娘様方を危険な目に遭わせてしまいました。
本当に申し訳ありませんでした。」
「っ貴方が、
それくらい重要な任務を補っているのはわかってるつもりです……
貴方が直々にそんな……ゆりちゃん達が攫われたのは、
当然僕たちに非がある。本来であれば僕たちが守るべきでしたから……。
……もう事件は起きていて取り返しはつきません。
これからのこと、お話しさせて頂けませんか?」
「ありがとうございます、山田くん。ではずっと廊下に居るわけには
いきませんし大広間に向かいましょう。ここにいては、
ゆりちゃん達にも聞かれてしまうかも知れません。
美澤社長にも話した事件の真相とこれからについてのこと、
説明させていただきます。」
「お願いします。
……皆さん、行きましょう。」
「……あぁ」