第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
「っ……俺だって、何がどうなってるのか分からないですよ!!
あのゆりちゃんは、ゆりちゃんじゃないっていうのは
マネージャーの俺が一番わかってます!!
でも、絶対に偽物だっていう確証もないんですよっ!!」
「っ……」
「っ櫻井さんや警察から何も連絡がなければ、
今のゆりちゃん達を信じることしかできないんですよ……」
「っそんn「山田くん……」っ兄さん……?」
しばらく黙っていた太輔が口を開いた。
「っ櫻井さんに、連絡を取ることはできないのか……?」
「っそれは……できない、こともないですけど……けど、
あの人は警視総監で、俺ら一般人に言えない機密情報も扱っています。
仮面ティーチャーの件だって、そうです……あの人から連絡がない以上、
俺たちが何を言っても答えてくれることはないと思いますよ……。」
「っ……だからってこのまま「藤ヶ谷先生!」っ…北山先生……」
太輔達が話していると宏光らメンバーの家族が集まってきた。
宏光らも娘達の様子がおかしいと感じたのか、険しい表情を見せていた。
「っ皆さん……どうしてここに……みんなの部屋にいたんじゃ……」
涼介は目を見開きながら宏光達を見た。
「さっき山田くんが言ったように、うちの来海変だよ……。
確かに元気なところは変わってないけど……でも、
作ってる感じがあって違和感感じるんだ……。」
「うちの凪咲と来夢もそう……
凪咲は真面目でツアー中でも勉強を欠かさない……それが、
今はライブのことだけで頭がいっぱいで勉強はそっちのけ。
来夢も普段なら結月ちゃんや凌駕くんが来たら喜んで遊ぶのに今は
ライブのことだけ考えたいって言って見向きもしなかった……」
「プロ意識は高いのいいことだけどよ……なんか、
前のアイツらと全然違うんだ……」
宏光に続き詩音と隼人も口を開いた。
他のみんなもそれぞれ違和感を覚えたらしい。
「藤ヶ谷先生……ゆりちゃんの様子は……」
「……えぇ、皆さんもいうようにうちの娘も変です。
っ母親の事さえも、覚えてないって言うんです……」
「っそんな馬鹿な話……!」
「っそれだけじゃない……ネックレスも、テディベアのことも!
全部忘れてるような物言いで……あんなの、
俺と百合の娘なはずないって思うくらい変なんですよ……」