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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル


「っゆり……お願いだから、全部嘘だって言ってくれよ……
ネックレスだって、部屋にあるんだろ……?」

「っ……」


太輔が何を言っても答えてくれないゆり、
目の前にいるゆりは自分の娘ではないのかと思い始めてしまった。
そしてゆりはようやく口を開く……。


「っ……ごめんパパ、少し疲れたから休ませて……
明日はライブでリハも朝からあるから……」

「っ……」

「っ兄さん……!」


太輔はゆっくりとゆりの肩から手を離した。百合同様に
ショックを隠せない太輔はその瞬間少しよろめき裕太に支えられた。


「っ兄さん……大丈夫?」

「っゆり……なんで……」

「……ごめん。」


ゆりは「ごめん」とそれだけ言うとソファーに座り
テーブルに置いていた音楽プレイヤーを手に取りイヤホンをつけると
何やら独り言のように呟き始めた。


「……明日のライブ、絶対成功させるんだっ
私はみんなのアイドル、みんな私のことが大好き……みんな、
私だけ見てればいいのよ……」


「「っ……」」


今までのゆりからは考えられない行動や言動、
太輔達は全員目の前にいるゆりは偽物ではないかと思い始めた。
そしてすっかり音楽に夢中になっているゆりは
こちらを気に留める様子もなかった。
涼介はゆりの部屋から出るよう促し扉を閉め部屋を後にした。


「っ山田くん……あのゆりって……」

「……えぇ、ゆりちゃんのはずなのに
ゆりちゃんじゃないんですよ……でも、ネックレスすら
着けていなかっただなんて……」

「っ涼介……本当にゆりは組織の奴らから何もされてないの!?
でなきゃおかしいよ!!」

「っけど……
ユウが廊下にあった以外は部屋も荒らされた後なかったんですよ……
本人だって、1回も起きていないって……」

「だからって何もしなかった方もおかしいだろ!?
あんなの、ゆりじゃないよ!!
しかも妹を全く覚えていないなんて無理な嘘すぎだろ!!
っゆりは……妹を覚えていたからこそ
このユウを受け取ったんだよ……?あげた時だって、
ママが見てるみたいってあんなに嬉しそうに言ってたんだ!」

「っ……」


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