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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル


「急に抱きついてきたり、
裕太くんに抱きつかれも嫌がらないなんて……急にどうした?(苦笑)」

「だってずっとパパ達には会えなかったし……
私も本当は凄く寂しかったんだよ?」

「そっか……(微笑)」
(確かに普段のゆりとは違う感じはするけど……
それ以外おかしいところなんて……)

「……。」


しばらく抱きついていたゆりは
太輔が片手に抱えていたユウに気づき目を向けた。
その視線に気づいた太輔はゆりを離しユウを差し出した。
だがゆりはキョトンとさせた。

「……ゆり、これ山田くんが一生懸命直してくれたんだぞ?」

「涼介さん本当に直したんだその人形!
あんなにボロボロだったのに凄いですね!」


「っ!?」
(っ人形……?叶輔が…ユウが人形……なんで……)

「っ……ゆりちゃん……」


さすがの太輔も驚きを隠せないままゆりを呆然と見た。
そしてゆりは差し出されたユウを受け取ろうとはしなかった。


「っゆり……お前……」
(これが、あのゆりなのか……?)


まだ呆然としてるとゆりは太輔のトートバッグから見える
もう一体のテディベア・レンこと百合を見つけた。
そして不思議そうに太輔を見上げた。


「……パパ、なんでバッグの中にピンクのクマの人形いるの?」

「『っ……!』」

「っゆり!その子もママの持っていたテディベアのレンだよ?
知らないわけないよね!?」

「あー……そうだったね(苦笑)」

「っ何その覚えていないっていう顔……」


さすがの裕太も今のでゆりがおかしいと気づいた。


「パパまで人形持ち歩いてるんだ、ちょっと可愛いね笑」

「っゆり……」


太輔はバッグの中から百合を出した。
ゆりの目の前には色違いのテディベアが2体、
レンの姿をしている百合は目の前にいる娘を複雑な思いで見た。


「っ……お前、ユウとレンを見ても何も思わないのか?
っこれは、お前のママが大事にして「それがどうしたの?」っ!?」

「だってママはもう死んでるじゃん。」

『っ……』
(っゆり……)






百合は娘の言葉に思わず涙が出そうになったが頑張って耐えた。
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