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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル


ベッドにゆりを寝かせた伊集院は東郷の方へ再度体の向きを変える。


「伊集院……日本の公安やCIAが潜り込んだという噂が流れている。
このアジトにも誰が侵入してるか分からない、気を緩めるなよ。」

「それは重々承知です。せっかく彼女たちを手に入れたのですから、
易々と手放すような失策はしませんよ。」

「……最悪このアジトがやられても、
この娘 "だけ" は渡すつもりはないからな……。」

「おや?東郷様も、彼女個人をお気に召されたのですか?」

「フッ……まあ、そう捉えてもらっても構わない。」

「貴方がそこまでお気に召されるとは……彼女は実に幸せ者ですね。」


伊集院はゆりの方に顔を向けた。


「……お前ももう休め。ここからは気が緩めぬ状態が続くからな……」

「お気遣い感謝致します。
ですが、急遽クローンを作らればなりませんので
それを完成させてから休ませて頂きます。」

「あのような男にそこまでしてやるとは、お前も実に世話焼きだな。」

「とんでもない、作品作りは私の嗜好でありますから。それに、
そうでも言わないと出雲は彼女を手放すつもりなかったようですからね。」

「はっ!なるほどな……まあいい、お前の好きにしろ。
娘はしばらく、オレの方で面倒を見る。」

「ふふふ……余程お気に召されたようで何よりです。
では、私はこれにて失礼致します。」


伊集院は会釈をすると東郷の部屋を後にしゆりの
アンドロイド兼クローン人間を作るため実験室に向かった。









「あの方があそこまで彼女を気にいるとは、実に想定外だ。
だが逆に都合がいい。これで6人まとめてと言われたら
俺の負担も計り知れない。」


軽く口角を上げながらアンドロイドを作る準備を進める伊集院。
実験室にある小部屋のカーテンを開けば人造人間の基となる体が
バイオ液に浸された状態で保管されておりその数は10体ほど。
そのうちの一体を機械ごと運び出した。


「あとは細胞を複製し媒体となるマイクロチップを脳に埋め込む作業だ。
……この際、このクローンはアイツ好みに仕立てやるか。
あそこまで狂っていれば偽物に気づく事はあるまい。」


伊集院はゆりのアンドロイドを作るために
数時間の時間を費やした。そして完成したアンドロイドを
出雲の部屋に送ってやった。
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