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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル


時刻は19:00。
ホテルのゆり達は夕食をとっており
メンバーはマネージャーと一緒に座っていた。


「ゆりちゃん達、明日はいよいよ家族と合流だね。」

「そうですね!パパに会えるの凄く楽しみです!」


ゆりは嬉しそうに答えた。


「みんなも少しずつ元気になってるし、ライブは大丈夫そうかな?」

「「はいっ!」」

「みんなホント元気になったね……」
(元気になってくれたのはいいけど、
あんな怖い思いしてたはずなのに平気なのかな……)

「ライブ絶対成功させますから、安心してください!」


来海は涼介に向かってグッドポーズをした。
他のメンバーも乗り気であった。


「一時はどうなるかと思ったけど、
来海ちゃんが元気になってくれて本当によかったよ。」

「菊池さん心配しすぎ!アタシはもう平気だよ?」

「みたいだね笑」


それぞれ和やかな食事をする一行、
ゆりも涼介と話しながら食事の時間を楽しむのだった。
そして涼介は質問を投げかけた。


「ねえゆりちゃん、」

「なんですか?」

「今日の朝、持っていたテディベア捨てていいって言ったじゃん?」

「はい、あれはもう必要ないですもん!」

「っ……」


ユウのことは何も思っていないのか純粋な笑顔で答えるゆり、
やはりゆりはどこかおかしいと引っ掛かってる涼介は話を続けた。


「実は、なんとか元に戻せないかなって直してるんだよね。」

「……あんなにボロボロなのにですか?」

「っあのテディベアは、
ただのぬいぐるみじゃなくてママの形見なんでしょ?
それなのにそんなあっさりと要らないって言うの?」

「……死んだママのこと、
いつまでも引きずるわけにはいかないじゃないですか。」

「っ!?」


ゆりは表情を崩すことなくあっさりと告げた。
そして言葉を続けた。


「だって、私は世界一のアイドルにならないといけないんですよ?
世界を目指すのにいちいち家族のこと気にすることできませんよ。」

「っ……」


思わず言葉を失う涼介、近くにいる他のマネージャー達も
信じられないと言わんばかりの表情を見せた。
それくらい今の涼介の目に映るゆりはおかしかったのだ……。

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