第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
「っ狂ってる……
たったそれだけの理由で……犯した挙句殺すだなんて!!」
「でも……せっかく君の真似をしていたんだから
最後くらいは君にならせてやってもいいかなって思ったからね。」
「っ最低……!」
(その子はただ私に憧れてくれていただけなのに……
それを偽物扱いするなんて……)
出雲を睨むゆり、ここまで自分勝手な人間は見たことない。
ゆりは絶対この男に屈指ないと心に決めるのだった。
「……何でそんな顔で僕を見るんだ……
僕は君だけのことを考えているって言うのに……」
「っ貴方は私のことをこれっぽっちも考えていない!!
私のことを本当に考えているならここから出して!!」
「そしたら君はまたみんなの藤ヶ谷ゆりに戻ってしまう!
もう僕だけを見てて欲しいんだよ!!」
「っいやよ!!
私は誰のモノでない!!ひとりの人間よ!!!」
「っ何でわかってくれないんだよ……!」_ガシッ!
「っ!」
出雲はゆりの両肩をガシッと掴みそのまま押しつけた。
「君はもうアイドルをしなくていいんだ!
知らない奴らに媚び売る必要はないんだよ!!
僕だけを見てればいいんだよ!!!」
「っ媚びる……?
私は、ただ応援してくれるファンのみんなの気持ちに応えたいだけ!
私のファンまでバカにするような人、私のファンでも何でもない!!
ファンの人たちまで馬鹿にしないで!!!」
「っ……いくら僕が何を言っても、全く聞く耳を持たないんだね……」
「っ当たり前でしょ!!そんな自分勝手な考え!!」
(っもういや……みんなのところに、帰りたい……会いたいよ……!)
涙を流しながら感情を露わにするゆり。
涙を流しながらも出雲を睨み続けた。
「……正直、こんな道具に頼りたくなかったけど
君が僕のモノなるためには仕方ないね……」
「っ……?」
そう言うと出雲はゆりから一旦手を離し
ポケットから小さいボトルを取り出した。
「っ何するつm_ガシッ!…っいや!!」
そしてボトルのキャップを外し再度ゆりの肩を
ボトルを持っていない反対の手で壁に押し付けた。
その様子から得体の知れないものを飲まされると感じ取ったゆりは
何とか抵抗しようと暴れてみる。だがその瞬間……
_バシンッ!
「っ!」