第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
あの時の仮面ティーチャーまでが北京にいることに驚きを隠せない憲吾。
まだ驚きがあるが憲吾は翔の話を聞き続ける。
「仮面ティーチャーと行動を共にするとは言いましたが、
基本は私と一緒に行動してもらうことになります。
三船くんのことも、我々が責任を持ってお守りします。
その為にも、私の指示には絶対従ってください。」
「はい、分かりました。」
「そして最後にですが、
貴方なら特に問題はないでしょうがこの件は事件の当事者のみとして
内密にお願いします。もちろんご友人や葛城警部補達もです。」
「っ圭吾達にも……」
「この案件は、ごく一部の人間しか知り得ないことですからね……。
以上がご理解頂きたい点でございます。」
「……分かりました。出発はいつに?」
「明日の8:00には日本を発つつもりです。
お迎えは7:00頃になりますが大丈夫ですか?」
「はい、問題ありません。早起きには慣れていますから……
それまでに朝食も済ませておきます。」
「そこまでして頂かなくても大丈夫ですよ?
朝食を始め食事はご用意しております。
それと持ち物ですが、貴重品だけで大丈夫です。
ですが航空機での移動中は携帯の電源を切るようお願いします。」
「分かりました。」
「私からは以上です。何かご質問はありますか?」
「今のところは大丈夫です。
……俺の役割は、ゆりの心を救うこと……ですよね?」
「えぇ。貴方以外考えられないと思っております。
ゆりちゃんにとって、貴方はかけがえのないお方ですからね。」
「っそんなに煽てないでください……アイツには父親だって、
山田さんだって……沢山大切な奴らがいる。
俺がその中に少しでも入ってるだけで十分なんです……。」
「三船くんは、とてもお優しいですね。
そんな人柄にも、彼女は惹かれたのでしょうね(微笑)」
「っだからそんなに褒めないでください……」
憲吾は少し顔を赤くさせた。
「ふふふ……さて、そろそろ自宅に着きますね。
明日は潤が玄関先まで伺いますのでよろしくお願いします。」
「っはい……こちらこそよろしくお願いします。
足を引っ張らないよう、努力します。」
「……どこまでも謙虚な方ですね(微笑)
では、また明日の朝お会いしましょう。」
「はい。」
こうして翔たちと別れ自分の部屋に入るのだった。
