第3章 ☆Story21☆ 動くそれぞれの歯車
そしてまた何日かが経ち、出国する2日前になった。
ゆりはこの日、
スターズTVにて海斗やスタッフたちと打ち合わせをしていた。
「それじゃ、一旦休憩にしましょう。
15分後に、またお集まりください。」
15分の休憩に入りゆりはスマホを取り出した。
ちなみに今日は休みである憲吾にLINEをいれるためである。
【明日、試合の応援に行くね!】
「……ふふっ(微笑)」
メッセージを送りひとりにやけるゆり笑
「ゆりさん、」
「ひゃいっ!?」
後ろから海斗に声をかけられ思わず変な声が出てしまったゆり、
慌ててスマホの画面を消した。
「ぁ……驚かせてごめんなさい(苦笑)
誰かと大事な連絡事でも?」
「っぁ、ぇっと……まぁ、父にちょっと……(苦笑)」
(っ財前寺さんに、見られてないよね……憲吾とのやり取り……)
「そうでしたか……お邪魔してしまいましたか?」
「っそんなことないです!
あの……私たち、明後日出発じゃないですか……それで、
話せるうちに父と話しておこうかなーなんて(苦笑)」
「そうでしたね……もう明後日には出国するんでしたね……」
「っまぁ……あのっ
財前寺さんは何かご用件でも……?」
「まぁ、ちょっと……(照笑)」
海斗は少し恥ずかしそうに呟いた。
「……?」
「実は、ゆりさんに相談したいことがあるんです。
職場では、ちょっと話しづらいことで……
十番街のカフェで、
少しだけご一緒にお付き合いしてもらいたいなと思いましてね(苦笑)」
「ぇっと……」
(確か、大会は11時からで、憲吾は4戦目で出るって言ってたっけ……
少しだけだったら時間は取れそうだけど……)
「っ急でしたよね?
申し訳ないです……いきなりこんなこと……」
「っそんな気にしなくても!
ちなみに、時間とかは……11時くらいまででしたら、
予定は特にないんですけど……」
「っ時間は何時でも大丈夫なんです…!
本当に、大丈夫なんですか?」
「っはい!
私なんかで財前寺の悩みを解決できるかは、
わかりませんけどね(苦笑)」
「ありがとうございますっ(微笑)」