第3章 ☆Story21☆ 動くそれぞれの歯車
ちなみに次の授業は剛太の授業ではないので
2人は途中で別れゆりは教室に戻った。
「ゆりちゃん、荒木先生となに話してたの?」
「ん?
いや、悩み事とかないかって(苦笑)」
「……ま、今のゆりじゃ、悩み事がないのが不思議なくらいだしね。
何か相談したの?」
「まぁ……前に話した、班田さんのこと……」
ちなみにゆりはメンバーにも班田のことは話してあった。
「そう……それで先生は?」
「大丈夫だって……励ましてはくれたけど……」
「……具体的な解決案が出たわけじゃないのね……」
「やっぱり、荒木先生って単純だよね」←
「「まな……(苦笑)」」
「でも、本当に解決してくれるといいね……その班田って人の件……」
「うん……そう願うしか、ないよね……
私がどうこう解決できることじゃないし……」
「……そうね。_キーンコーンカーンコーン あら、予鈴だわ。
そろそろ席に戻るわね。」
「うん、」
予鈴のチャイムが鳴り響き生徒たちは自分の席やクラスに戻って行った。
こうして1日を終えたゆり、
特に夕方以降は仕事がなかったので涼介のお迎えで寮に帰った。
「ただいまぁ、」
『おかえりゆりちゃん!』
ユウはいつもの如く玄関先でお出迎え。
「相変わらずユウは元気だねぇ(苦笑)
その元気分けてほしいくらい……」
『……何か、あったの?』
「ううん(苦笑)
今日、荒木先生に班田さんのこと少し話したんだけど、
早く解決してくれるといいなって……思っただけだから……」
『……ほんと、早く解決してほしいよね……』
「うん……でも!今くよくよしても仕方ないし……ご飯の支度しよ?」
『……そうだね!』
(ゆりちゃん……)
ユウは少し浮かない顔をするゆりを心配そうに見上げるのだった。