第13章 ☆Story31☆ ホンモノのアイドル、ニセモノのアイドル
ここにきて感情を露わにするゆり、
ゆりの瞳は固い決意を表すように輝いていた。
それに反応するように他の5人もニッと笑った。
「さっすがうちのエース……器広いと思ったらまさかの発言っ
そうだよね……アタシたちは、
世界一のグループにならなきゃいけないんだもんね!」
「そうね……アイドルとしての道、
それは応援してくれる人の期待に応えること。
ファンのみんなは、こんな私たちを求めていないものね……」
「私たちまで、絶望の淵に飲まれるところだったわね。
こんなところで、あーだこーだやってる暇はないわね。」
「っうん!
それに、みんなだってきっと私たちの帰りを待ってくれてる……
お父さんやお母さんだって、きっと……」
「っそうだよ!!
お父さんとお母さんだって、来夢たちの帰りを待ってる!
今ホテルにいる偽物だってすぐ見破るもん!!」
ゆりの発言に希望を唱える5人、ゆりも再度
伊集院に向かって叫ぶ。
「私たちは、絶対に絶望なんてしない!!ここだって、
必ず逃げ出してみせる!!みんなの元に……帰るんだから!!!」
「随分と威勢がいい子達だ。
自分たちが置かれている状況をまだ理解していないようだね。
だが楽しみも増えるというわけか……」
「っ……」
(逃げ出すとは言ったものの、相手の言うとおり今の状況では無理……
この縄が解けたとしても出口もわからないし距離もわからない。
スマホだってホテルの部屋だし現状は脱出は無理……でも、
希望させ捨てなければきっと隙が出来るはず……!)
「アタシたちは絶対アンタらに屈指ないから!それにアンタたちの
計画とかなんて、全部上手くいくはずなんてないんだから!!」
「我々も随分舐められたものだ。
まあいい、その威勢がどこまで続くか見ものというものだ(嘲笑)」
「「っ……」」
「さて、悪いが君たちにはまた眠っててもらうよ?
もしかしたらみんなで顔合わせるのは最後になるかもしれないからね、
今のうち慰めの言葉でも言い合えばいい。」
「っ何よそれ……!
アタシたちは絶対に諦めない!!これに尽きるわ!!」
「っえぇ!そうよ!!」
(来海の言うとおり、絶対諦めない……!)
「そうかい、それじゃ……おやすみ♪」_ポチッ
_ビリリリリリリ!!
「「っぅあああああああ!!!」」
