第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
「っ何だって!?」
『すぐ近くで見たわけではないが、少なくとも藤ヶ谷ゆり、
天羽千鶴、宮瀬愛美の3人は熟睡している。
他の3人は布団の中に潜り込んでいたが少し動いていた。
恐らく先程の騒ぎで目を覚ましたのだろう……』
「っならおかしくないですか?騒ぎで目を覚ましたなら、
他の3人も同じように起きてるはずですよね……?」
『あぁ、実に不可解だ……だが、
この3人に共通しているものがあった。』
「っ何ですか?」
『お前が今日本部に持っていったアロマストーン、
それと同じものが部屋に置いてあった。』
「っ!?」
(あのアロマストーンがなぜ、誰が?
まさか、内部に組織のスパイか裏切り者が……?)
『もしかしたらそのアロマストーンは、
深い睡眠も催す効能があるのかもしれないな……』
「っしかし、
成分調査では睡眠効果が得られるようなものは何も……」
『とにかく、メンバー6人の無事は確認している。
引き続きアジトの調査に専念するよう指示も出ている。
だが私は引き続き、ここの様子を調べる。
現状……内部に組織がいる可能性も出てきたからな……』
「っわかりました。引き続きよろしくお願いします。」_ピッ
(不可解な事が多いけど、
アジトさえ侵入できれば事は大きく進みそうだ……とりあえず、
6人も無事みたいだしひとまず先生にはいい報告ができそうだな……)
大我は電話を切った後眠っている剛太に目を向けた。
「……。」
「先生、ひとまずゆりちゃん達は無事だよ。
……ここからは、本格的に公安の仕事になりそうだな。」
大我はその後もベッドで眠る事はせず仮眠をとりながら調査を進めたり
仲間の連絡を待った。そして日が昇り早朝6:00。
剛太は意識を取り戻し勢いよく起き上がった。
「……っゆり!!」_ガバッ!
「あ、先生起きたんだね。おはよう。」