第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
剛太を気絶させた大我は睡眠薬を含ませた水を
剛太に飲ませ布団の上に寝かせた。
「早朝までには、また進展があるはずだ……
その情報次第だけど、しばらく眠ってて先生……。」
「っ……ゆり……」
眠った状態のままでも寝言のようにゆりの名前を呟く剛太。
「熟睡してるはずなのに、どんだけ生徒大好きな先生だよ(苦笑)
ってか、もしかして先生……
生徒達が大事な反面、ゆりちゃんのことはもっと……」
「っ千鶴…愛美……絶対先生が助け、て……やるから……」
今度は千鶴と愛美の名前も言う剛太。
「っていやいや(苦笑)
っんなはずないか……アンタほど、
生徒を平等に愛せる先生なんていねぇもんな……」
大我は剛太が意識を戻さないうちにシャワーを浴びることにした。
そしてシャワーを浴び終えた大我は再びアロマストーンを調べながら
同僚から進展の連絡が来るのを待った。そして剛太が眠って
30分ほどが経った頃、再びスマホの着信音が鳴り響く。
_ピッ「もしもし、」
『今敵の動きがあった。
白衣の男1人と黒服の男が大きな荷物を持って例の車に乗り込んだ。
直ちに追跡に向かわせた。』
「その車に、ゆりちゃん達がいる可能性は?」
『詰め込めば、彼女達くらいの背丈なら2、3人は入れるかもしれん。
私はこれからホテルへ直接侵入を試みる。
盗聴器も聞く限り、中は全滅しているようだからな。』
「了解。では引き続き調査をお願いします。
また何かあればすぐにお願いします。」
『わかった。また連絡する。』
「はい、お願いします。_ピッ
っ……どんどん事が大きくなっていく……
先生を留められるのも時間の問題かもしれないな……それまでに、
確実な情報を得られれば……。」
電話を切って数十分が経った頃、再び着信が入った。
「はい、」
『っ昨日より実に不可解だ……』
「っ……?
どういう事ですか……?」
『先程、気絶していたSPの懐からカードキーを拝借し
Dolce6人各自の部屋を確認したんだが……』
「っ何が……」
『それが、全員ベッドの上で眠っていたんだ。
何事も、なかったようにな……』
「っ何だって!?」