第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
「っボンと……?」
剛太がふと言った名前『ボン』。これは彼が学生時代生徒達から
呼ばれていたあだ名のようなものだ。
「ボンというのは、あだ名ですか?」
「っあ、すいませんつい……俺の元教え子の名前は、京本大我。
俺が赴任した時、他の生徒達に呼ばれていたあだ名で俺も呼んでました。
今も、話す時は……」
「っまさかあの京本が貴方に……しかも教え子だったとは……」
「ボn‥いや、京本にはあの頃から色々情報をもらってたんです。
生徒達について……その情報のおかげで、俺はより生徒を理解する
ことができてその生徒が抱える問題に向き合うことができたんです。」
「なるほど……そういうことでしたか。
ですがやはり、部外者に機密情報を漏らすなどまだまだ若いですね。」
「まあアイツ、まだ1年目ですもんね公安に入って……」
「……次の条件ですが、単独行動はしないでください。
貴方のことですから、万が一ゆりちゃん達に危険が迫ったら
無理な行動もするでしょう。ですがこれは日本政府にも関わる重要案件。
貴方だけの私情で捜査を混乱させるわけにはいきません。」
「っ……わかりました。
滞在中はぼ‥京本と行動します。」
「僕や本人の前では無理に呼び方を変えなくていいですよ?
そして最後の条件ですが、」
「はい……。」
「出発は3日後です。
今すぐ渡航することは許可できません。」
「っ!?」
「先程も言いましたが、この事案は本来貴方が絡むべきでない問題。
それに今すぐゆりちゃん達の身に危険が迫るわけではありません。
もし行動をするなら準備段階といったところでしょう……」
「っ……」
「こちらも貴方を受け入れる体制を整えなければなりません。それに、
仮面ティーチャーは関係者以外に知られてはいけないのが絶対条件。
……京本は貴方の正体は?」
「っ卒業間際に、バレちゃいました……謹慎喰らいましたけど、
飯倉局長の計らいでなんとか続けられてるって感じです。」
「では京本についてはひとまず安心ということですね?
ですが公安どいえど貴方の正体を明かすわけにはいきません。
仮面ティーチャーの正体、絶対に知られないでください。」
「っはい……!」