第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
「っそれ……ゆりちゃんのテディベア……?
っなんでこんなボロボロに…っいや八つ裂きに……!」
優吾が持っていたもの、それは頭と体が分かれ顔はボロボロにワタが
飛び出していたゆりのテディベア・ユウだった。
涼介も当然知っていた。ゆりがこのテディベアを大事にしており
母親の形見でもあることを……だからこそ背筋が凍った。
「……。」
だが肝心のゆりは驚いている様子はなかった。
それにすぐ気づいたのは涼介、涼介はゆりの肩を掴んだ。
「っゆりちゃん!!本当に何も覚えてないの!?
あのぬいぐるみはずっとゆりちゃんの部屋にあったやつだよね!?
ぬいぐるみが廊下に落ちてたってことは敵はゆりちゃんの部屋に
入ったってこと!!それになんでそんなに無反応なの……?
あれはゆりちゃんの大切な宝物でしょ……?
お母さんも大事にしていたぬいぐるみだよ!?」
「っ涼介さん……本当に何も覚えてないんです……
そう、この"人形"が……」
「っこの人形……?」
(ゆりちゃんがユウのことを人形って言うなんて……あんなに
ライブにも連れていって本当の友達のように話しかけてていたのに……)
「でも、もうボロボロですね……
私ももう14歳ですし、卒業しないとですよね(苦笑)
それ、捨てちゃって大丈夫ですよ。」
「「っ!?」」
ゆりがユウを大切にしていることは涼介をはじめ
この場にいる全員は知っていた。だからこそゆりの発言は
信じられないものだった……。
「だって……直しようもないじゃないですか。」
「っだからってそんなあっさりと……っ……」
(っゆりちゃんがおかしい……絶対この部屋では何かあったんだ。
きっと、千鶴ちゃんと愛美ちゃんにも……)
「っ……山田さん、どうしましょうか……」
_ボソッ「っとりあえず、後で俺が預かるよ。
これはただのテディベアじゃないんだ……」
(できるだけ……修復してあげないと……
どこまで直せるか、わからないけど……)
_ボソッ「わかりました。」
「っわかったよゆりちゃん……後で俺らが捨てておくから……
まだ6時過ぎだし、もう少し寝ててもいいよ……」
「ありがとうございます、」