第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
『っ……前にも言ったでしょ?
ユウとレンにも意思があるってこと……ユウが叶輔として喋れるのは
ユウっていうぬいぐるみの存在があるから……それは私も同じ……。』
「っ……」
『私と叶輔は、それぞれ独立した意思を持っているけど
ユウとレンは一心同体に近いの。私の誕生日の時からずっと隣にいて、
私たちのこと見守っていたからね……』
「っつまり……兄弟みたいなもので、
今お前と一緒にいるレンの意思に反応したってことなのか……?」
『うん……一瞬ビジョンも流れてきた……っ……』
百合は突如太輔から顔を背ける。
「っ……何が、起きたんだ……?」
『っ……首を裂かれて、刃物みたいなので顔を滅多刺しに……!』
「っ!?」
声を震わせながら言葉にする百合、太輔も言葉を失くした……。
『っく……』
「っなんでそんな事に……っ叶輔は!叶輔は大丈夫なのか!?」
『っ叶輔や私の魂は神様が管理してるから神様が取り出さない限りは
意識があるから大丈夫、痛覚もないから……でも、』
「でも?」
『私たちは、ユウとレンって言う媒体で太輔やゆりに言葉を
伝えてるに過ぎないの。わかりやすく言えば、スマホかな……
スマホが壊れたら、会話できないでしょ?それと同じ……
喋れる余地がないくらい…っ……今は無惨な状態だと思う……』
「っなんてことだ……」
頭を抱える太輔、それ以上にゆりの身に何が起きているのかも
しれないと思うといても立ってもいられなかった。
『っ連絡があるとしたら、明日の朝以降だと思う……覚悟、
しておいた方がいいかもしれない……。』
「っ……何もできねえ自分がホント情けねえよ……班田の時だって、
俺は待つことしかできなかった……また待つだけなんて……」
『……神様を、信じよう?ゆりが、無事であることを……』
「っ何を信じればいいんだよ!!そんな神頼み!!!」
『っ太輔……』
「ゆりだけでなく叶輔にまで被害が及んでるってことだろ……
2人の父親なのに……俺は……俺は!」
『っ……』_ぎゅっ…
「っゆり……」
百合は太輔の頭を抱き寄せた。
『今は、待つことしかできないの……信じよう、ゆり達を……』
「っ……」_ギュッ