第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
_百合side
北京が23:00を回った頃、
日本はもう24:00と深夜でもう翌日になっていた。
百合と太輔が深い眠りについている中、百合の頭に一瞬
叶輔からのテレパシーが入ってきた。それは……
〔助けて……!母さんっ!!!〕
『っ叶輔!!?』_がばっ!
百合は勢いよく起き上がった。
すぐ隣にいる太輔も百合の声で目が覚め
少し瞼を重そうに開けながらゆりを見た。
「っん…百合……どうした?
こんな真夜中に……」
『っ……太輔!!』_ギュッ!
百合は勢いよく太輔に抱き着いた。
太輔は一瞬びっくりしたが百合の頭をそっと撫でてあげた。
「どうしたんだ急に……怖い夢でも見たか?」
『っ今一瞬……叶輔の声が聞こえたの……』
「叶輔の?なんで急に……」
太輔は百合の言葉にキョトンとさせていたが
次の百合の言葉に驚愕する。
『っ……母さん助けて、って……すごい切羽詰まった感じで……』
「っ!?」_がばっ!
思わず起き上がる太輔。叶輔が助けを求めたということは
娘のゆりに何かあった可能性が高いからだ……。
「っそれ!!ゆりの身に何かあったってことなのか!?」
『っそこまではわからないよ!!
でも、その可能性は……』
「っ……」
太輔はゆりを抱いていない反対の手で顔を覆い俯かせた。
『っ太輔……今は何もできないよ……
涼介さんや事務所からの連絡を待つしか……』
「っわかってるそんなこと……!
けど……ゆりの身に何か危険が迫ってるんだとしたら……」
『っ太s…_ビビビッ!…っうああ!!』
百合が太輔に言葉をかけようとした瞬間、
体が痺れるような感覚に襲われる百合。
「っどうした百合!!?」
『っ今一瞬、体が痺れた感じがして……っ!!ユウの体が!!』
「っユウ……?
なんで急にユウだなんて……」
『っ今の痺れは……ユウの体、ぬいぐるみそのものに……』
「っどう言う意味だよそれ!!」
『っ……』