第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
「今すぐ引き裂いてやる!!」
『っ!?』
「おいさっさとずらかるぞ!!天羽千鶴と宮瀬愛美も確保した。
一刻も早く作業を遂行せねばならない。」
「ああ。睡眠ガスの効き目も限界があるからな……けど、
このわけわかんねぇぬいぐるみをこのままにしとくわけにはいかねぇ。
この場で引き裂いてやるさ……」
『っ……!』
そう言うとゆりを持ち上げている男は懐からナイフを取り出した。
ユウは慌ててその場から離れようとするがその男に体を右足で踏まれた。
「手こずらせやがって!!」_ガシッ!
『うっ!』
そして左手で体を掴まれユウの顔にナイフを当てた。
『っ……』
「お前、ぬいぐるみなんだから痛覚とかねぇんだろ?
無駄にうるさいその喉引き裂いてやるよ……」
『っやm_ザシュッ!!……っ!!』
男は容赦なくユウの首に刃を当て横に引き裂いた。
ユウの頭は少し遠くに飛ばさ体からはわたが溢れていた。
(っこんなあっさり諦めてたまるかよ!!)
『っ……くそぉぉぉぉ!!』
男の言う通りユウには基本痛覚はない。
あくまでぬいぐるみに叶輔の魂が宿っているだけであり
叶輔の意思で喋ることは可能だ。
だが頭と体が引き剥がされては動くことができない。
身動きが取れず悔しさで泣き叫んだ。
「っよく喋る口だな!!」_ザク!ザク!ザク!
そんなユウを男は気が狂ったようにナイフで
ユウの顔を滅多刺しに刺していく……。
『っぁ…ぐ……』
(っだめだ……僕の意識は保てても、ユウの意識が……)
ユウはどんどん喋る力がなくなっていき
徐々に意識を失くしていく……。
「っはぁはぁはぁ……っチ!ずらかるぞ!!」_ポイッ!
男はユウの体を放り投げ他の数人の男達とこの場を後にした……。
_ホテルのとある一室
「細胞移植は済んだ。
あとは”コイツ”の頭にマイクロチップを埋め込めば完成だ……完璧な、
クローンがな(怪笑)_」