第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
『っ……やっぱり、変だ。
これってただのアロマストーンじゃないんじゃ……』
(来海ちゃんは菊池さんに貰ったって言うけど菊池さんにそんなもの
買う余裕なんてある?いくらなんでも買ってこようなんて思考、
気持ちに余裕がなきゃ出来ない……そんな余裕が菊池さんにあった?)
ユウはアロマストーンを持ちながら可能性を考える。
『っだとしても来海ちゃんが嘘をつく必要性はないし……
やっぱり菊池さんが?……わからないよ……』
「スゥ…スゥ……」
ベッドで眠るゆりを見上げるユウ、気持ちよさそうに
眠っているゆりではあるが募る不安は取れなかった。
『っゆりちゃん……』
(でも、警備は厳重だし変な人が入ってくることもないだろうから
今はゆっくり休ませてたほうがいいのかな……?)
ユウは自分の思い込みが過ぎたのだと思うことにし
ゆりの頭元に座り今はただ側にだけに居ようと思うのだった。
それから数時間、時刻は18:30。
そろそろ夕食の時間ではあるがゆりはあれから起きなかった。
そんな中、涼介がドアをノックする音が聞こえてきた。
_コンコン「ゆりちゃん、そろそろご飯の時間だよ。
……ゆりちゃん?眠ってるの?」_コンコン
涼介はもう一度ノックするがゆりからの返答はない。
「……髙地、ゆりちゃんは部屋から出てないんだよね?」
「はい。来海ちゃんが出て行った後も出てきてないですよ。
昨日色々と大変でしたし来海ちゃん達が戻ってきたことで
不安が一気に取れたんじゃないんですか?それで寝てるとか……」
「それなら、いいんだけど……ゆりちゃん、部屋に入るよ?」
涼介はマスターキーでゆりの部屋に入る。
ベッドが盛り上がっており近づいてみればすやすやと眠っていた。
_ホッ「寝てるだけか……ゆりちゃん、そろそろご飯の時間だよ?」
涼介はゆりを揺すり声をかける。
するとゆりは「ん〜」と言いながらうっすらと目を開けた。
「あれぇ…涼介さん……」
「寝てるところ起こしてごめん。もうご飯の時間だよ?
……今日はこのまま寝るつもりかい?
見たところ、まだ私服みたいだけど……」