第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
そしてゆりも来海が出て行った後
早速アロマストーンにオイルを垂らし香りを嗅いだ。
「う〜ん……いい匂い。
確かにこれは気持ちが良くなるかもぉ……」
『僕も嗅いでみたい!』
「いいよ。ほらおいで?」
ユウもゆりの元にやってきて匂いを嗅いでみた。
_クンクン『ラベンダーみたいな匂いだね。』
「だねぇ……」
『……?ゆりちゃん?』
ゆりの様子をふとみた時少し眠いのか、
目をとろんとさせながらうとうと体が揺れていた。
『っゆりちゃん、急にどうしたの?
なんか急に眠そうな……』
「えぇ?
なんか、気持ち良くなってきただけだよぉ……
このまま寝ちゃってもいいかも〜」
『っ……』
急に様子が変わったゆりを見て不安が募ってくるユウ。
アロマストーンの匂いを嗅ぐまでは来海と至って普通に話してたのが
今ではこの状態だ。このアロマストーンはただの癒し効果を
もたらすものではないのではと疑い始めた。
「なんか身体が軽い感じもするんだよねぇ
このアロマストーン凄いなぁ……どこに売ってるんだろ?」
ゆりはアロマストーンの入った容器を持ち中のストーンを見つめた。
だがユウは慌ててゆりから容器を取り上げた。
『っだめ!!』_ガシッ!
「っちょユウ!?
急に何……?せっかくくるがくれたのに……」
『っこれ以上、嗅がないほうがいいよ……だって、
ちょっと変だもんゆりちゃん……これを使ってから……』
「変って言うほど?
すご〜くいい匂いで気持ちがラクになるんだよ?」
『っもう使わないほうがいいって!
だって今はもう十分なくらいいい気分なんでしょ?ならこれ以上……』
「……分かった、ユウがそこまで言うなら止める……」
ゆりは渋々そうにしながら容器に蓋をした。
その様子にユウはホッとするのだった。
そしてゆりはベッドに潜り込んだ。
『っもう寝るの!?
まだ夜ご飯前だしシャワーも浴びてないじゃん!』
「えぇ……ちょっと眠るだけだよ……
だってここずっと張り詰めてたし……今のうち身体休めなきゃ。
次の、ライブに備えt……」
ゆりは最後まで言葉を発することなく目を閉じてしまった。
『っ……』