第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
風磨は来海の部屋におり
来海をソファーに座らせハーブティーを淹れてやった。
来海が落ち着いたのを確認すると、
風磨は昨日攫われた後のことを聞き始めた。
「来海ちゃん……話せるところまででいいから、
攫われた後のこと話してくれないかな……何か、
酷いことはされなかった?」
「アタシたちが攫われた後、車に無理矢理乗せられて……
ハンカチか何かで口元を塞がれた後に意識が飛びました。
それからどれくらい気絶してたかはわからないけど、
目を覚ましたらベッドに寝かされてて……寒かったです。
多分……裸にされてたんだと思います……。」
風磨の問いに淡々と答える来海。
そんな来海の言葉に息を呑む風磨。
「っ来海ちゃん……今、なんて……」
「……犯されました。
目の前には男がいたんですけど、暗くて顔はよくわかりませんでした。
けどその後……時間がわからなくなるくらい、犯されました……」
「っそんな……!
つまり、やり逃げされたってことだよね……?」
「そうなるんでしょうね……」
戻ってきてからいつもの明るい来海がいなかったのは
それが主な原因だとわかった風磨。これ以上聞くのはやめることにした。
「っ話してくれて、ありがとう……凄く辛かったよね、
無理矢理犯されて……」
「……。」
「今はゆっくり休んで?
仕事のことも、ライブのことも今は……」
「……ありがとうございます。
それじゃ、お言葉に甘えて……」
「うん。それじゃ、俺は外に出るから何かあったらLINEして。」
「わかりました……あの、」
「ん?」
「落ち着いたら、ゆりたちのところに行ってもいいですか?」
「あぁ、それは構わないよ。」
「ありがとうございます。」
「……それじゃ、また夕食の時間になったらくるね?」
「はい。」
風磨は来海の部屋から退出し、扉の前に立っているSPたちにもし来海が
ゆりたちの部屋に行きたがればそれに応えるよう伝えた。
一方で凪咲の方も同様に事情を聞かれ、来海同様に犯されたと話した。
凪咲の話によれば部屋には自分と男しかいなかったようだった。
そして小学生の来夢、来夢のほうは身体中をたくさん触られた挙句
何度か犯されたと慎太郎に話した。その間、来夢は泣きながら話し
慎太郎は優しく抱きしめながら来夢の話を聞いたのだった。