第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
_翌日朝、あれから進展はなく時刻は朝6:00。
ゆりは重たい瞼をゆっくりと開けた。
「っん……」
『ゆりちゃん……』
「っユウ……」
ユウは既に起きていたようでゆりが目を覚ますのを確認すると
ゆりの目の前にやってきた。昨日の朝ぶりにユウと話すゆり、
ゆりは思わずユウにこう言った……。
「っねぇ……私は嫌な夢見てたんだよね……
くるも、なぎも、らいちゃんも……
千鶴とまなだってみんなココにいるよね……?」
『っ……ゆりちゃん、千鶴ちゃんと愛美ちゃんはいるよ。
でも……他の3人は昨日……っ……』
「っ……!
そう……やっぱり、夢じゃなかったんだね……」
ゆりは思わず布団に潜り込む。
『っゆりちゃん……』_ごそっ
ユウは布団の隙間から入り込みゆりの側に寄り添った。
するとゆりはすぐユウをギュッと抱きしめた。
「う、うぅ……!
みんなに、会いたいよ……みんなで、ライブしたいよぉ……」
『ゆりちゃん……今はゆっくり休みな?
とりあえずライブ以外の仕事は全部中止になったんだからさ……』
「ヒック…ヒク…うぅぅぅ…わぁああああああん!!」
ゆりは昨日ぶりに大声を上げながら泣き始めた。
外にいた照とラウールは泣き声が聞こえてすぐマスターキーで部屋を開け
ゆりの様子を見たが今はそっとしておくべきだと判断し
ゆっくりと扉を閉めた。
「やっぱりゆりちゃん、精神的に参っても仕方ないよね……」
「そりゃそうだろ。目の前で、っ仲間が攫われたんだからよ……
精神ぶっ壊れてもおかしくねぇよ……けど、こっちに来てから
すげぇ頑張ってただろ?今は、ゆっくり休ませるのが良い。
今は、泣きたいだけ泣けばいいんだよ……。」
「でもライブの予定は、中止しないんだね……正直、あと4日で
全部解決してライブが出来るだなんて……想像できないよ……」
「それは確かにな……けど、
ここで中止を発表するわけにもいかねぇんだろうよ。
それこそ世間が混乱するだろうし……最悪、ライブ当日にメンバーが
体調不良で中止もしくは残りのメンバーでライブを続行するか……
どうなるか、SPの俺らにはわかんねぇよな……」
「だよね……」