第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
「っゆりちゃんを不安にさせたくないし、正直隠し通したい……。
けど、隙を見せた気の緩みが大きな事件を引き起こす……。
みんな、今は少し忘れているようだけど心の奥には留めてるはずだ。
もう海外遠征も大詰めで気の緩みも少なからず出る頃……
注意を促すという意味でも伝えるべきだ。」
「わかった。」
「あぁ。他のマネージャーもそうしてくれ。
……事務所の方に連絡は済んでいるか?」
「っはい、先ほど連絡しました!
警備を緩めず一層強化するようにとのことでした……。」
「わかった。SP達も緊急招集をかける、
その間にメンバーに伝えられるのなら伝えてくれ。
俺は話を済ませてからゆりちゃんに話すよ。」
「「了解!!」」
涼介以外のマネージャーはメンバーの部屋に向かい
メールの話をし、より一層警戒することとマネージャーやSPの側から
離れないよう厳重に注意を呼びかけた。
それから間も無くしてゆりの部屋にも涼介がやってきた。
_コンコン「ゆりちゃん、部屋にいるかい?」
「っはい!今開けます!」
ゆりは部屋を開け涼介を部屋に入れた。
涼介の深刻そうな表情を見てゆりは少しの不安をお覚えた。
「もうすぐ出発前なのにごめんね。
実は今日本部のパソコンにこんなメールが届いたんだ。」
「メール……?」
「うん……」
「……っ!?」
涼介はゆりにパソコンの画面をスマホで撮った写真を
ゆりに見せた。ゆりは目を見開き言葉を失った。
「っ涼介さん……これ、って……」
「うん、例の組織の可能性がある。
ゆりちゃん達も、心に留めているとは思うけど
事が大きく動く可能性が出てきたんだ。」
「っ……いつも以上に、警戒しろって事ですよね?」
「うん。だから今まで以上に滞在中の移動は
俺や髙地達の側から絶対に離れないで。」
「っ……はい、でも大事なモノって本当に私たちの事なんですか……?」
「じゃないかって、俺ら全員踏んでるよ。
……ゆりちゃんも、知ってるでしょ?
ゆりちゃん達と同じくらいの少女を殺した殺人犯や
韓流アイドルを殺した殺人犯がいた組織だ。年齢・性別・業種から見ても
今のゆりちゃん達にドンピシャ過ぎるんだよ……」
「っ……」