第12章 ☆Story30☆ 北京は波瀾万丈!?
日本警察内で深刻な状態になっている中、
北京に滞在中のゆりたちは何事も問題なく
打ち合わせやリハーサルをこなしいよいよ本番まで3日後に迫った。
さらに2日後にはメンバーの家族が来中することもあり
ゆりを始め気分も上がっていた。
今日は北京の観光地を紹介する特番の撮影をすることになっている。
時刻は朝7:00、朝食を取ったり撮影の準備に追われる関係者達。
ゆりらも朝食を終え身支度を整える中、
ホテル内本部のパソコンメールに匿名で不穏なメッセージが届いた。
それを偶然見たスタッフはすぐ責任者に伝え、そこからすぐに
涼介らマネージャーにも伝えられ涼介達は本部の部屋に急いでやってきた。
「っ変なメールが届いたってどう言うことですか!」
「っ最初はいたずらメールかと思ったのですが、ここにある機材は
簡単にハッキングされないように強化しています。
それなのにこんなメールが……」
「っ……まさか、例の組織の連中の仕業なのか……」
「文面を見ると、その可能性も……」
涼介はパソコンの画面を見ながら顔を歪めた。
メールに送られてきた内容、それはたった14文字の短文だった……。
その内容は……
『お前たちの大事な モノ を奪う。』
この『大事なモノ』は具体的に何なのかは指摘されていないが
涼介を始めその場にいる人物は全員『Dolce』のメンバーを
指しているのではないかと予想した。いや、それしか考えられないと……
「システム部より報告、パソコンがハッキングされた様子はなく
どこから送られてきたのか特定できませんでした。
となるとこれは一般人による操作というよりは、もっと大きな組織が
関わっている可能性が高いかもしれません。」
「っ……だとしたら、ふざけるなよアイツら……
本当に俺らに手を出してくるつもりなのか……」
涼介はさらに表情を歪め拳を握りしめた。
その様子を見ていた侑李も複雑な思いを抱えながら涼介に声をかけた。
「どうする山田……この事、メンバーに話すかい?
チーフマネージャーとして、どう指示する?」