第11章 ☆Story29☆ 夢に向かって
太輔の予想通り、ゆりはまた爆弾を投下する。
【でもさっきはビックリしたなぁ笑】
【……?
何か、驚かせるようなことしたか?】
「『あ……大汗』」←
【藤ヶ谷さんも、憲吾と同じタイミングで流星群見てたのかな?
電話終わった後綺麗に撮れたからって送ってくれたんだ、星空の写真。】
【……。】
憲吾は窓から空を見上げてギュッとスマホを握りしめる様子が入ってきた。
ちなみにアングルからは表情は見れないが
2人はどんな表情かは経験上概ね予想はついている。
『あちゃあ……汗』
「無自覚ってのがまた……」
(三船くん、ゆりに察されないように上手く誤魔化してるけど……
さすがに可哀想だわ……汗)
空を見上げながら会話を続ける憲吾。
そんな様子を勝手に覗いておきながら気まずくなる夫婦2人。
【……そうなのか、
まぁ滅多に見れないからな……ここまで綺麗な星や流星群は……】
【だよねぇ……滞在中、流星群見れないかなぁ……】
【……さぁな、そっちの天気とか…わかんねぇし……】
『太輔と違って、
あからさまに態度に出てなかった分怖い……苦笑』
「てか、さすがに察しろよゆり……汗」
【今日の東京の夜空は、凄く綺麗な日だったんだね……
日本のみんなはいいなぁ……パパや他のみんなも見てたりしたのかな!】
「『俺/私らを巻き込まないで……涙』」←
【……さぁ、
俺には、わかんねぇよ……】
「『お願いだからそろそろ察しろよ娘……汗』」←
((後々が怖い……))
憲吾の様子が少しおかしいとさすがに気づいたゆりは
不思議そうに首を傾げながら問いかけた。
【憲吾……?】
【なんだ?】
_ビクッ【っううん……何でも、ない……】
「『……汗』」
両親がすっかり言葉をなくす中、
叶輔はゆりによじ登り助け舟を出す。
_ボソッ【憲吾くん凄い嫉妬してる、ゆりちゃんのせいだよ。
藤ヶ谷くんの話ししたから……】
【っ!?】
「『叶輔、よくやった……』」←
((でもここからどう挽回するのか……))
ここでゆりはしっかりと自覚をし、
2人もとりあえずほっと息を撫で下ろした。