第11章 ☆Story29☆ 夢に向かって
ゆりのおねだり?により
電話越しでやりとりをすることになったゆりと憲吾、
ここからがゆりの両親も予想だにしない展開が多々起きる……。
【っ…もしもし憲吾?】
【あぁ、さっきぶり。
疲れとかは大丈夫か?】
【うん!憲吾の声聞いたら元気出たから!】
【っ……何だよそれ……】
ここまでは両親も想定内のやりとりだったが
このあと予想だにしなかった爆弾を娘は投下するのだった。
【さっき、藤ヶ谷さんと電話してたけど、
やっぱり憲吾の声落ち着くなって……】
【……。】
「『え……?』」
((いきなりその話出すか!?))←
「いくらお前の血が濃いからって鈍感すぎねぇかゆり……汗」
『ゆり、けして憲吾くんを嫉妬させようとしてないのがまた……汗』
「お前はたまに意図的にやってたもんな。」←
『好きな子をいじめたくなる論理と同じよ笑
……て!!ゆりにいつそんな属性ついた!?←
憲吾くん、完全にフリーズしちゃってるよ……苦笑』
(え、待って待って……今の憲吾くん、
完全に嫉妬してた時の太輔とまんま同じなんだが……)
憲吾は少し下に俯きながら黙っていた。
そんな表情には少し苛立ちがあるように思えた。
「今すげぇ三船くんの気持ちわかるわ。←
(こんなこと、昔はしょっちゅうあったな……。)
『今凄いタイスケくんに嫉妬してるね……苦笑
まあ、叶輔もツッコんだけどこのタイミングはちょっとねぇ……』
【憲吾……?】
ずっと無言の憲吾がおかしいと思ったのかゆりは憲吾に問いかける。
ゆりは今の段階で憲吾が嫉妬していることに気づいてはいなかった。
【っ!
っいや、何でもない……ちょっと、一瞬だけ空を見てたんだ。
さっきまで、流星群が流れてたから……】
【そうなんだ!
今の空はどう?変わらず星がいっぱい?】
【あぁ、そうだな。
星は綺麗だ……さすがに、流星群はないけどな……】
【そっか……でも私も、見てみたかったな生の流星群!】
【……ゆりちゃん、母さんの悪いところ出てるなぁ……汗】
「だってよ。」
『私ってこんなだったの!?』
「子は親の鏡って言うしな……とはいえ、」
(無自覚でこれだとまた何か爆弾投下しそう……)←