第11章 ☆Story29☆ 夢に向かって
『うん、わかった……大事な話って次のライブのこと?』
「ううん……多分、今ソウルを逃走中の殺人犯についてだと思う……」
『っ殺人犯!?』
「うん、私たちと同じくらいの女の子が殺されてその犯人が今ソウルにいるみたいなの。
で、その犯人が裏組織と繋がってる話が圭吾さんから涼介さんに連絡があったの。」
『っ……僕も行く!』
「えぇ!?
だって、犯人が逃走中だから厳重に注意されるくらいだよ?
それにこっちは警備を強化するくらいしかできないしあとは警察じゃないと……」
『っそれでも気になるもん!』
(ここまで話が進んでるってことはいつゆりちゃん達の身に
何かが起きてもおかしくないってことでしょ?
そんな状況なのに、呑気にお土産のお菓子とか食べてらんないよ……)
「……わかった、連れて行ってあげる。
もうユウも現場にも私が持ち歩いてることも馴染んじゃってるしまぁいいか……
大人しくしてるのよ?」
『わかってるもん!』
(一応、母さんたちの耳に入れといたほうがいいかな……あ、でも僕のこと
父さん知ってるんだっけ?……でも、このことは母さんに伝えなきゃ……)
ゆりは要冷蔵のお土産を冷蔵庫に入れ
ユウを抱き抱えて大広間に向かった。
_大広間
ここの大広間はホテルに滞在中、symphonyで貸切にしているため
常に長テーブルや椅子がセッティングされている。
ゆりも所定の位置に座った。
「お!今日もユウくん一緒なの?笑」
「っいちいち揶揄わないでよ……くるも聞いてるでしょ?
真面目な話これからするんだから……」
「……。」
(中2でぬいぐるみを堂々持ち歩いてるゆりに言われてもなー笑)←
近くの席に座っている来海はいつもの如くゆりを茶化す。
ユウはすっかりメンバーにも馴染み深いぬいぐるみとなっている。
ゆりの隣は涼介でその後ろには優吾達SP勢が座っている。
「ゆりちゃん達、今日は社長もモニターで繋がってるからね?」
「「え!?」」
「ここまで大事になり始めてるからね……じゃあ俺は前に行って説明しなきゃだから、
来海ちゃんも風磨からも聞いてるだろうけどしっかり俺らの話聞いてね?」
「「はーい……」」
ゆりと来海は同時に返事をし涼介達の話が始まるのを待った。