第11章 ☆Story29☆ 夢に向かって
こうして涼介は電話を切りすぐホテルにいる本部の社員に
圭吾から伝えられたことを同様に伝え、警備強化の要請をした。
本部もすぐ対応するとのことだ。
「とりあえず、警備強化は大丈夫そうだな……あとは、
ゆりちゃん達や俺たちの危機管理が重要だよな……。
さて、ゆりちゃんのところにそろそろ俺も戻らなきゃ……あの4人、
はしゃいでないだろうな……」←
涼介はGPS機能でゆり達の位置を把握。
場所を確認すると涼介はその場所を目指した。
当然場所は先程ゆり達が入ったフルーツジュース専門店である。
「あれ?割とすぐ近く……お店の中に入ったのかな……」
涼介がこちらに向かっている間、ゆりたちはそれぞれジュースを頼み
各席に座っている。さすがに大男4人に女子中学生1人は目立つので
固まらずゆりはラウールと優吾と同じ席に。
照とジェシーは少し離れた場所の席を確保し
ジュースを飲みながら周りを警戒していた。
「こんな人多いなか日中に不審者が現れるってことは
ほとんどないだろうけど警戒するのに越したことはないな……」
「だねぇ……ってか、
俺もゆりちゃんと同じテーブルが良かったんだけど。」←
ジェシーはストローを加えながら少し不貞腐れていた。
「仕事中に文句言うな。
ガタイが良い俺らよりは一番ゆりちゃんと歳が近いラウールと
普通の髙地が一緒にいる方が自然だし……とはいえ、」
(さすがの俺もこんな野郎と同じテーブルは嫌だわ……)←
その一方で役得?であろう優吾とラウールは
ゆりと会話を交えながら流行りのジュースを堪能していた。
「なんかラウールさんの方も美味しそ……」
「ゆりちゃんが良いなら一口飲んでいいよ!」
ラウールは飲んでいたジュースをゆりの前に差し出す。
「あ、ゆりちゃん……
ちゃんとストローじゃなくてコップの方で飲んでね。
ラウールと間接キッスしちゃうから。」
「はーい笑」
(まぁ、私の唇はもう憲吾だけのものだもんね笑)←
「ちぇ……」
「『ちぇ』言うな!……あ、山田さんこっちに向かってるみたいだな。
……にしても、ちょっと長かったし何かあったのかな……」
「……。」