第11章 ☆Story29☆ 夢に向かって
「よろしくお願いします。」
『本部から組織のことがわかってきたら
また事務所を通してお伝えするかと思います。』
「お願いします……葛城さん達は、
どこまで組織のことを把握しているんですか?」
『僕たちが把握していることは今話したとおりです。
組織の詳細は本部から次期伝えられるかと思いますので、
しばらくご辛抱いただけたらと存じます。』
「っそう、ですよね……急かしてすいません。」
『っそんな!
ゆりちゃん達の見に危険が迫っているかもしれないなら当然です!』
「っありがとうございます。
僕たちには、警備を強化することくらいしかできませんから……」
『絶対に、犯人を捕まえて見せます。
恐らく上層部も動くと思いますし……』
「上層部……警視総監も?」
『はい……さっき話した通り、この組織は他の国と繋がっている可能性が
高く国際問題にもなりかねません。
そうなると、公安も本格的に動くかもしれません……』
「っ……」
そんな大事にまで発展する可能性が……櫻井さんも、
何か手を打つつもりかな……現に班田の時も関わってたし……
そしたら仮面ティーチャーも……いや、さすがにそれはないか……
あの時の仮面ティーチャーは学園関係者らしいし、もし動けば
正体がすぐわかっちゃいそうだもんな……
犯人が、ソウルにいるうちに捕まるのが一番良いんだよな……。
早く、捕まってほしい……せっかくゆりちゃん達は
韓国公演を大成功に収めて今度は中国・北京……これも絶対成功させて
世界を目指さないといけないのに……
もし犯人がゆりちゃん達に危害を加えようとするなら、
俺はそいつを許すことはできないかもしれない、いや許せない。
ゆりちゃん達の未来を奪うなんて……
涼介はギュッと力強くスマホを握りしめた。
でも、きっと大丈夫だよねゆりちゃん達は……
班田の時だって、雅さんの時だってみんな無事だった……だからきっと、
今回だって……。
『っ山田さん……大丈夫ですか?』
「っすいません、急に黙って……ちょっと考え事をしちゃって……」
『無理もないですよ……他に何か聞きたいことは?』
「っとりあえず今は大丈夫です。
今から現地の本部に連絡を入れます。」
『はい、よろしくお願いします。
ではまた……』
「はい、」