第11章 ☆Story29☆ 夢に向かって
「かつて韓流スターを殺してやがる……」
「「っ……」」
賢司の言葉にまた眉を寄せる圭吾と隆一、
勇吾はその言葉に反応し3人の方を見た。
「……。
(有名人が殺されてんのか……昨日一昨日のライブ盛況だったらしいし、
そいつらの目に止まってもおかしくねぇってことか……)
おい、圭吾。」
「勇吾、どうした?」
「藤ヶ谷ゆりたちの事務所に伝えなくていいのか?
こっちではすでに韓流の有名な奴殺されてんだろ?」
「事件があったことについてはこれから
事務所と現地にいる山田さんにその旨は伝えるつもりだよ。
本部にも連絡しないとだからね。
組織による殺人事件についてはもう少し情報収集が必要だけど……」
「出雲ってやつ、元は餓鬼を殺してる鬼畜な野郎だろ……
アイツらもその餓鬼と同世代なら余計目につくだろ。」
(特に藤ヶ谷ゆり、アイツは色んな意味で危険すぎる……
それでもし憲吾の野郎が……)
「勇吾、ゆりちゃんたちのこと凄い心配してくれてるんだね。
前まではそんなに口挟んでこなかったのに。」
「っ別に……」
「それじゃ、俺は本部に連絡するから
神崎は事務所で葛城はその山田ってマネージャーに連絡しろ。」
「「はい。」」
刑事の3人はそれぞれ連絡することになった。
そして圭吾は涼介に連絡を取ることにした。
「ライブは昨日で終わってるから前ほどバタついていないとは思うけど……」
圭吾がしばらく待っていると涼介が電話に出た。
『もしもし、警視庁の葛城さんですか?』
「はい、葛城です。山田さん、今お時間よろしいでしょうか?」
『はい、ちょっと待っててください。
今僕たちとゆりちゃん外出中でSPのほうにゆりちゃんを
見ているよう伝えてきますので。』
「お手数をかけてすいません。
ゆりちゃんもすぐそこに?」
『えぇ、ちょうど繁華街を観光中でして……
少し落ち着いたところでお話しした方がいいですよね?』
「そうしてもらえると、助かります。
刑事事件のことですから……」
『わかりました。すぐ終わるのでそのままお待ちください。』
「はい、よろしくお願いします。」
「……呑気に観光かよ。」
「っ勇吾……!」