第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
控えからもスタジアムの方からは観客の声がどんどん増えていく。
入場も順調に進んでいるようだった。
「会場の熱気も温まってきたね……「ゆりさん、翻訳機イヤホンです。」ぁ、
ありがとうございます。」
(やっぱりいざ本番が近づいてくると緊張するけど、全力で楽しまなきゃね。
自分たちも楽しまないと、お客さんも心の底から楽しんでくれないもんね……)
先に着替え終わったゆりはステージの方に目を向けた。
「ここからが、世界一に向けてのスタート……」
(絶対成功させなきゃね!)
『……(微笑)』
ユウはテーブルの上に座っており目の前にはゆり専用の
ドリンクホルダーが置かれてる。ゆりは一度水分補給する為に
ユウの元に向かう。そしてユウをひと撫でしてドリンクを口に運ぶ。
『っ……』
(急に何ゆりちゃん……!)
「ふぅ……」
『……。』
(なんか言ってよ!!)
ゆりは深呼吸をすると特に何も言わず元の場所に戻った。
ユウは不思議そうにゆりを見るのだった。
「みんな集合ー!!!」
そして本番まで5分前、来海はメンバーを始め会場スタッフを招集。
ゾロゾロとスタッフたちは来海やゆり達の元に集合。
普段のライブでもお馴染みの光景であり大きな円陣をみんなで組む。
涼介らマネージャーは少し離れたところでゆりたちを見守る。
円陣は6人それぞれが意気込みを語るのが定番だが順番はその時その時で違う。
意気込みを言ったら次言うメンバーを指名、そして今回先手を打ったのは来夢。
「失敗してもそれが
パフォーマンスに見えるくらいすごいステージにするぞー!!」
「「「おお!!」」」
「次は千鶴ちゃん!!」
「初めての韓国公演!!笑いも感動も届けるわよ!!」
「「「おお!!」」」
「次は愛美!」
「現地の人だけじゃない!世界中のみんなを笑顔にしよう!!」
「「「おお!!」」」
「次は凪咲ちゃん!」
「私たちはひとつのチーム!
みんなの気持ちを一つに!!」
「「「おお!!」」
「次は……来海!」
「よっしゃあ!!
全員気合い入れてくよ!!!」
「「「おおお!!」」」
「ラストゆり!!よろしく!!!」