第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
そして時間はあっという間に過ぎていき
いよいよ海外での初公演が行われる日になった。
午前中は各自最終調整、ゆりは音楽プレーヤーで
セトリ順に曲を聴きながら軽く振り付けを部屋でやっていた。
ちなみに今回『Miss You』もセトリに入っており
英語版の歌詞で披露することになっている。
生中継ではシングル曲のメドレーを英語で披露。
他のメンバーも英語を中心に復習していた。
『英語で披露なんて、ますます海外公演っぽいな〜』
「〜〜♪」
『って、聞こえるわけないか笑』
ゆりはイヤホンをつけながら曲を口ずさんでいるため
ユウの声は聞こえない。
こうしているうちに昼食の時間がやってきた。
_大広間
「いよいよ5時間後にはライブ、気合入れてこ!!」
来海は相変わらず肉料理を皿に沢山乗せながら気合いの一言。
「当然だよ!英語版と韓国語版の歌詞もバッチリ覚えたもん!」
「私も。けして恥ずかしい出来じゃないわ。」
「中2の2人気合い十分じゃん!
もちろんゆりぴーもでしょ?」
ゆりに視線を移す来海、そしてゆりは不敵の笑みを浮かべた。
「当たり前。でもこれはまだスタートラインに立っただけ。
世界一目指すならこれくらいで満足しないから。」
「ふふ……さすがはエース、私たちも同じく負けていられないわね。
来夢も、一生懸命英語を勉強していたしもっと高みを目指さなきゃね。」
「っうぅ……でもみんなみたいに上手く発声できないの悔しい!!」
「今日よりも明日、明日の時より3回目、4回目と
どんどん成長していけばいいのよ。」
「お姉ちゃん……」
「お母さん達が見に来る時は、
今日より成長しているところを見せましょう。」
「うん!!」
みんな気合いは十分だった。
昼食も済ませゆり達はマネージャーやスタッフらと共に
バスでスタジアムに向かう。スタジアムに着きバスから降りれば
現地のカメラマンや日本以外も各国のメディアが集まっていた。
ゆり達はカメラに笑顔を向けたり手を振ったりなどしながら
スタジアムの中へ入っていった。