第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
そして練習が終わり、憲吾は吾郎と一緒に下校するが……
「憲吾お前、今日はどうしたんだ?
授業中眠そうにしてるわ練習もあんなで……寝不足か?」
「っ……まぁ、情けない話……」
(ゆりとの会話が原因でとか、ぜってぇ言えねぇわ……)
「ゆりちゃんとラブラブだからって、気抜けてるのか?笑」
「っちげぇっての……アイツは今、世界を目指してんだ。
俺だって、そうだ……。いくらゆりと付き合ってるからって、
そこまで現を抜かすなんてこと、してねぇよ……」
「ふぅん……♪」
吾郎は憲吾から何かを感じ取ったようだが特には何も触れずそのまま別れた。
憲吾は自宅に着くと今日の練習で満足にできなかった筋トレを
夕飯の時間になるまで続けるのだった。
ゆりside
あれから何日かも経ち、ゆりたちドルチェの初公演は
いよいよ明日にまで迫ってきた。これまでの配信のおかげか、
チケットの申し込みも募集当初よりかなり集った。
前日である今日は自主トレを中心にそれぞれ個人で過ごすが明日は
お昼を食べ次第すぐ会場入りし
最終リハーサルをし初のソウル公演を迎えることになっている。
ゆりはホテルに設備されてるトレーニング施設の
ランニングマシンで持久力を鍛えていた。
「ふっ…ふっ…ふっ……」
(いよいよ明日、か……明日は途中で生中継もあるみたいだし、
パパや憲吾も見てくれるみたいだから頑張らなきゃ……)
『ゆりちゃん気合入ってる〜♪』
「っユウ……今私たちだけだからって、喋らないで……
誰か来たらどうするのよ。」
『はぁい……』
ユウも一緒に来ておりユウは渋々お口をチャックし
ゆりのトレーニングを見守るのだった。
その後もゆりは数々のトレーニングマシーンで汗を流した。
「ふぅ……ポカリ飲も……」
トレーニングが落ち着き、ゆりはカバンの横に置いてある
スポーツドリンクを手に取り口に運んだ。
「ゴクゴクゴク……っふぅ!生き返る〜
ぁ、そうだ……そろそろSNS更新しようかな……」