第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
同じ日にゆりに魅入られた?
憲吾とタイスケは翌日、寝不足気味の状態で朝を迎えたのだった。
タイスケside
「うぅぅぅ……」
この日はドルチェがメインの番組『アイ★チャン』の収録日。
ドルチェ不在の間は出演グループのメンバーが
シャッフル形式で出演することになっている。
今回キスマイからはタイスケとヒロミツ、ブラッシュからは獅依留、
バタフライからは優紀と彩華の5人が番組に出ている。
タイスケは休憩時間の間、テーブルに両肘を突きずっと唸っていた。←
「お前……さっきから何なんだよ……」
ヒロミツは眉間に皺を寄せながらタイスケを見る。
「だってゆりちゃんに会えないんだもん……。
会えないの辛い……電話越しの声だけじゃ無理……」
「今更何言ってんだよ……」
(てかコイツはいつになったら諦めんだ……)←
「……。」
そしてヒロミツ同様に優紀もタイスケを見てた。
近くにいた獅依留は冷や汗をかきながら優紀を見る。
「っ優紀ちゃん……顔怖いんだけど……汗」
「別に……藤ヶ谷さんって、何でいつもああなの?」
「知らないよ……汗」
(優紀ちゃんって、番組以外ではホント藤ヶ谷くんに冷たいよな……)
_ボソッ「私だって、ゆりに会いたいのに……」
(でもゆりの邪魔はしたくないし……何であの人はあんなに平気で
いつもゆりと話せるんだろ……)
小さく誰にも聞こえないよう呟く優紀、
優紀の心情を知っている彩華は何とも言えない表情を優紀に向ける。
「……。」
(片想い……ましてや同じ女の子に恋しちゃうなんて、辛いわよね……
それにしても……)
「あああああ!!
ゆりちゃん早く日本に帰ってこないかなー!!涙」
「「うっさい少しは黙れ!!!!怒」」←
あまりのタイスケのうるささに出演者全員の怒号が楽屋外まで響く。
その一方、憲吾は授業中の間少し眠そうにしながら授業を受けていた。
憲吾side
「ねみぃ……。」
(ゆりのせいで寝不足……)←
そして部活でも……
「コラ三船ー!!
練習メニューを簡単にしたからって気を抜くな!!」
「っいやそんなつもり……」
(夜ゆりと話すのはやめよ……体に支障出る……汗)←
「憲吾……マジでどした?(苦笑)」