第10章 ☆Story28☆　世界を目指して…

憲吾の顔が真っ赤なまま、ゆりは話を続ける。


『そして憲吾と両思いになって、こうして恋人同士になって……
前より憲吾の優しい部分やかっこいい部分をいっぱい見れて……』

「っ……そんなに、褒めんな……俺なんて、お前に比べればそんな……」


何でお前はそんなに俺のことそうやって褒めてくれるんだよ……
お前の方が、ずっと偉いし頑張っている……
そんなアイツがここまで褒めてくるなんて……色々期待してしまう……
俺は、ゆりのそばにいて良いのか？
ずっと一緒にいたいって、思っていても良いのか……？


『だからこそ、さっきの憲吾は少し怖かった……
嫉妬してくれた時の憲吾が……』

「っ……」

『私……憲吾に、愛されてるななんて……思っちゃったし（苦笑）』

「っ……ゆり、」

『ん？』

「ほんとお前といると、俺が俺じゃなくなってるような気がしてくる……
今までこういうこと、なかったから……」

『っ憲吾……』


あぁ俺は、本当にお前のことが好きだ……。
今すぐにでも、伝えたい……。




「っ……好きだ……」

『え！？///』

「本当にお前のことが、好きで堪らないんだ……
自分でもおかしいって思ってるこんなこと言って……
けどやっぱり好き、なんだ……ゆりのこと、」


本当に好きで、愛おしくて……離したくない……。


『っ私だって憲吾のこと……凄い、好き……大好きだよ…！』

「っ……」


ゆり……ゆりも、同じ気持ちでいてくれるのだろうか。
凄く、嬉しい……目の前にいるなら、抱きしめたいとすら思う……


『っ大好き！誰よりもずっと憲吾のことが……大好きだよ！』

「っ……勘弁、してくれ……」


そんな声で言うなよ……
ますます、お前に逢いたくなる……。


『へへっ……だって、さっきは憲吾に無意識に意地悪しちゃったんだもん。
その分いっぱい大好きって言いたいな。』


コイツ……俺を殺すつもりかよ……。


「っ……」


憲吾は立ってるのが少し辛くなり思わずベッドに腰掛け顔を俯かせた。




さっきの『大好き』だけでも十分なのに、これ以上言われたら
俺の心臓もたねぇっての……。