第2章 ☆Story20☆ 新しい担任の先生登場!!
「藤ヶ谷さん……」
「……。」
「……それが、人間ですから……仕方ないのかもしれませんね……」
「荒木先生……」
「僕も同じ教師ですから、その気持ちはわかります。
でも無理に同じになろうって、思わなくていいと思います。
……あなたも、ちゃんと生徒と向き合いたいって思っているのが、
すごく伝わってきましたから……」
「っ……」
「そういう気持ちを持ってるだけでも、俺は違うと思いますよ?
生徒にだって、充分その気持ちは伝わると思います(微笑)」
「っ……」
(まだ26でこんなに自分の考えをはっきりさせている……
きっと荒木先生と同じくらいの俺だったら、
そんな風には思っていなかっただろうな……)
『……。』
(荒木剛太先生……この先生、只者じゃないんじゃ……
普通の先生と、どこか雰囲気が違う……何か、ある気がする……
私たちが知らない、別の一面が……)
百合は太輔と剛太のやりとりを静かに見守っているのだった。
「……それじゃあ、本題に入りましょっか!
ゆりとは、この間二者面談をしたんですけど……」
「何か、問題でもありましたか?」
「ぜーんぜん!何もありませんよ笑
学校と仕事、両立してるの厳しいのかなって思ったんですけど
無理しない程度に頑張ってるみたいですよ?」
「そうですか……それなら、よかったです。」
「……まぁ、強いていうなら……」
「ぇ……?」
「……やっぱり、
お父さんやお母さんがすぐ傍にいないのは悲しいみたいです……」
「『っ……』」
「普段は大丈夫で、たまにすごく悲しくなるって言ってましたけど……
でも、ずっと寂しいんじゃないかなって……」
「っ……ゆり……」
「普段大丈夫なのは、周りに友達や仲間がいて……
仕事をしたり勉強をしたりしているからで、
それで忘れてるだけで……本当は、ずっと寂しんじゃないかなって……」
「っ……」
「……でなきゃ、いきなり俺のこと……
『パパ』なんて、呼ばないと思うから……」
「っゆり……」
(すまない……本当に……)
『……。』
(ゆり……ごめんね、ずっと……一緒にいられなくて……)
「……。」