第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
タイスケside
「ゆりちゃん達の家族、きっとびっくりしてんだろうなぁ笑
……ゆりちゃん達、ホテルにはまだ着いてねぇよな……
もう少し落ち着いたら後でLINE送ってみようかなー」
そんな独り言を言いながら外の空気を吸いにベランダに出る。
高層マンションから見える夜景は鮮やかに輝いており夜空を見上げた。
すると驚いたことに星がいつもより綺麗に輝いていたのだ。
「っ今日の空めっちゃ綺麗じゃん!
あ、写真撮ってゆりちゃんに送ろ♪
やっぱり日本と韓国じゃ同じ空でも違うのかな……」
そんなことを口ずさみながらタイスケはスマホのシャッターを押した。
_カシャっ
「いい感じじゃん♪……って!
今度は流星群かよ!?」
写真を確認しもう一度空を見れば沢山の流星群が夜空を駆け巡っていた。
「っ願い事……!
っもし願いが叶うなら……」
タイスケは目を閉じ……
_もし、願いが叶うなら、
ゆりちゃんが少しでも俺のこと好きになってくれますように……。
願い事を心の中で言うと、タイスケは目をあけ星空を見上げる。
「やっぱ俺……
ゆりちゃんじゃなきゃダメだよ……いつか、」
(いつか俺の想い……ゆりちゃんに届くかな……)
タイスケはしばらく空を見あげ
微風に煽られながら黄昏れると部屋に戻った。
再びソファーに腰掛けながら飲みかけだったお酒を一口飲んだ。
ちなみにタイスケはお酒はあまり強くなく先輩との付き合いで
嗜み程度に飲むくらいなので家でもお酒を飲むことはあまりない。
ほろ酔いたい時はこうしてお酒を嗜んでいるのだ。
「ふぅ……今日はいつもより飲んじゃったなぁ……」
タイスケはテーブルに置いてあるスマホを手に取りLINEを開いた。
ゆりとは出発以来連絡を取っておらず
数日ぶりにゆりとのトーク画面を開いた。
「出国以来、LINE開いてなかったや……
初日とか2日目は結構バタバタしてそうだったしなぁ……」
タイスケは文字を打ち始めたが……
「……やっぱり、直接ゆりちゃんの声聞きたいな……」
文字を打つのをやめ、タイスケはLINE電話のコールボタンを押した。
_プルルルル「ゆりちゃん、疲れて出ないかな……」